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35歳以上のフリーターの正社員就職方法
最終更新日: 2023年6月22日
フリーターの年齢範囲は、国が定める定義によると、
- 15歳から34歳まで
とされているのですが、最近では35歳以上、中には40歳以上でアルバイトなどをしているフリーターが増えてきています。
以下の図は、年齢別のアルバイトなど非正規社員として働いている人の人数なのですが、15~34歳の非正規社員数は減少傾向にあるのに対して、35~54歳の非正規社員数はどんどん増えているのが分かります。
また、非正規社員を不本意で続けている人の割合も、男性の場合、年齢が高くなればなるほど高くなっていることから、本当であれば正社員として働きたい人が多いようです。
このような年齢の高いフリーターを最近では「中年フリーター」と呼ぶようになってきたのですが、中年フリーターが正社員を目指した就職活動をはじめたとして採用されるものなのでしょうか。
ここでは、35歳以上のフリーターの正社員を目指した就職方法について解説していきます。
1. 35歳以上のフリーターで正社員になった人の割合
正社員への就職は、年齢が高くなるほど難しいのですが、35歳以上のフリーターは、正社員になることはできるのでしょうか?
2016年の、独立行政法人 労働政策研究・研修機構の発表によると、5年前は非正規雇用者で現在35~44歳の男女のうち、正社員になった人の割合は、男性は20%、女性(配偶者無)は11.9%です。(※2)
☆35歳以上の非正規雇用者が正社員になった割合
年齢 | 男性 | 女性(配偶者無) |
---|---|---|
35~39歳 | 21.9% | 12.1% |
40~44歳 | 17.5% | 11.7% |
合計 | 20.0% | 11.9% |
種類別に詳しい割合を見てみると、正社員になった割合は、
- 年齢が高いほど少ない
- 女性よりも男性の方が多い
となっていて、年齢や性別によって違いがあることが分かります。
これらの割合を知って、「35歳以上のフリーターは、正社員として就職ができない」と思う人もいるかもしれませんが、この調査の中には、就職活動を行っていない人も含まれているので、そう悲観する必要はありません。
これ以降で、
- 「35歳以上のフリーターの人が就職している職業」
- 「35歳以上のフリーターが正社員になれた就職活動方法」
を紹介していきますので、それらの情報を活用して正社員への就職を実現してもらえればと思います。
(※2)出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「壮年期の正社員転換-JILPT『5年前と現在の仕事と生活に関するアンケート』調査結果よりー」2016年11月
2. 35歳以上のフリーターは医療・福祉、製造業、事務職に就職する人が多い
上記の調査結果からもわかるように、35歳以上で正社員になったフリーターは多くありません。
では、正社員になった人は、どのような職業に就職できたのでしょうか?
ここに、5年前は非正規雇用者だった現在35~44歳の男女が、どんな業種や職種に正社員として就職したのかについての調査結果があります。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「壮年非正規雇用労働者の仕事と生活に関する研究ー正社員転換を中心としてー」2017年
この調査結果にしたがって、35歳以上のフリーターが就職した職業を多いものから見てみると、
☆正社員になった職種
順位 | 職種 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 事務職 | 35.6% |
2位 | 専門職・技術職 | 27.0% |
3位 | サービス職 | 11.7% |
☆正社員になった業種
順位 | 職種 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 医療、福祉 | 17.1% |
2位 | 製造業 | 16.0% |
3位 | 卸売業、小売業 | 11.1% |
となっています。
こういった職業は、
- 資格や学歴、年齢不問
- 未経験者OK、未経験者歓迎
- 豊富な求人数
といった特徴がある求人募集が多く、35歳以上のフリーターの方でも、年齢・学歴・職歴を気にせず、就職できる可能性が高いです。
また、アルバイトやパートが活躍している職業でもあるので、フリーター時代の経験を活かして、同業種や同職種に就職する人も少なくありません。
職種の中で、事務職の就職者数がダントツに多い理由は、
- 事務職の種類が多く、求人募集数も多い
- 事務職は女性に人気がある
- 35歳以上のフリーターは女性が多い
ということと関係しています。
一方で、農林漁業職・保安職・複合サービス業(郵便局、農業協同組合など)は、もともと求人数が少ない職業なので、35歳以上のフリーターでなくても、就職者は少ないです。
3. 35歳以上のフリーターが就職しやすい職業
ここでは、35歳以上のフリーターが就職しやすい職業を紹介します。
※平均年収は、厚生労働省 「平成29年賃金構造基本調査」他を参考に、算出しています。
出典:厚生労働省「平成29年賃金構造基本調査」
3-1. 介護職員
介護職員は、35歳以上のフリーターが最も多く就職している「医療、福祉」業界の職種です。
介護職員は、
- 簡単な仕事なら資格なしでもできる
- 常に人手不足の業界なので、需要が高い
といった理由から、「資格なしOK」「未経験者歓迎」「学歴・年齢不問」の求人募集が、常に多くあります。
このような条件から就職した人でも、介護に必要な「介護職員初任者研修」が働きながらでも取得できるように、補助やアドバイスをしてくれる就職先も少なくありません。
4K(キツイ・汚い・危険・給料が安い)と言われる職業ですが、訪問介護や施設介護の利用者から直接感謝されることも多い、やりがいのある仕事です。
☆介護職員の平均年収
約313万円 ※介護職員初任者研修修了者の場合
3-2. 工場勤務(製造業界)
工場勤務は、35歳以上のフリーターが多く就職している製造業の一つです。
マニュアルに沿って、製品の製造・加工・検品を一連で行います。
主にライン作業を中心とした定型仕事なので、正社員でも応募時点で経験や資格、学歴を問われることはほとんどなく、パートやアルバイトも多く勤務しています。
普通なら就職が難しい大手企業でも、グループ会社の正社員として就職できる可能性が高いのも、工場勤務の魅力です。
大手は、大量の求人募集があっても就職希望者も多いので競争率は高くなりますが、雇用が安定していて、勤続年数で収入アップを狙えます。
中小企業の場合は、高い年収は望めないものの、大手よりも就職しやすい企業が多いです。
一般的に、食品製造よりも、家電や自動車製造の方が正社員の募集が多く、年収も高い傾向にあります。
☆通信機器組立工の平均年収
約323万円
3-3. 一般事務
事務職は、
- 座ってできる定型仕事が多い
- 残業はほとんどなく、定時で退社できる
- 仕事にノルマがない
といった働きやすさから、どの年代の女性にも人気がある職種です。
特に、一般事務職は、ほとんどの企業にある事務職の代表職なので、幅広い業種から就職先を選択することができます。
また、求人募集では、特別な資格や経験を必要とせず、「パソコンの基本操作ができる方」といった条件のみを提示している企業が多いので、パソコンが使えればチャレンジできる求人が多く見つかるでしょう。
しかし、こういった働きやすさと応募条件のゆるさから、就職希望者が多いので、求人数が多くても競争倍率は常に高い傾向があります。
応募先によっては、経験や年齢が重視されてしまい、35歳以上のフリーターにとっては「狭き門」となる場合があります。
☆一般事務の平均年収
約328万円
3-4. ルートセールス
ルートセールスは、決められた得意先を回って営業や集配を行う営業職です。
営業職で辛いと言われる「飛び込み営業」は行わず、得意先の信頼を得て売り上げを伸ばす仕事を行います。
そのため、資格や学歴に関係なく、コミュニケーション能力が高くて人に好かれる人材が求められています。
経験者優遇の企業もありますが、経験がない人の育成に力を入れている企業が多いので、普通運転免許を持っていれば営業未経験者でもチャレンジしやすいです。
仕事のほとんどが外回りだったり、得意先の都合によって早朝や深夜の時間帯の勤務があったりと、ある程度の健康と体力が求められます。
☆ルートセールスの平均年収
約349万円
3-5. タクシードライバー
タクシードライバーは、平均年齢が
- 男性 59.4歳
- 女性 56.2歳
という、中高年が活躍している職種です。(※3)
40代、50代から就職したり、元気であれば定年後も勤務が継続できたりと、中高年から始めても長く働き続けることが可能です。
有名な大手タクシー会社では、「入社する98%の方がタクシー未経験」(※4)というように、未経験からタクシードライバーを始める人が多く、最近では、ナビ付車両のおかげで、地理に不安な人でもチャレンジしやすいです。
求人条件は「普通免許」のみという募集がほとんどで、タクシードライバーに必要な「二種免許」の取得費用を会社で負担してくれたり、企業専属車や中・小型バスなどへのステップアップ制度がある会社も少なくありません。
求人も頻繁にあるので応募しやすいのですが、ほとんどの会社が歩合制のため、
- 精神的な重荷がある
- 月給や年収は変動が多い
- 稼げる人と稼げない人での差が大きい
などと感じた人もいるので、注意も必要です。
最近では、企業が、働きやすい環境を整えて、女性ドライバーも積極的に採用しています。
☆タクシードライバーの平均年収
約313万円
(※3)出典:一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会「平成29年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況」
(※4)出典:日本交通株式會社
3-6. 配達ドライバー
配達ドライバーは、幅広い年齢層の人が働いている職種です。
営業用の普通・小型貨物自動車を使って仕事をするので、普通免許を持っていれば、求人募集で年齢や学歴、経験を問われることはほとんどありません。
実際に、大手の求人情報では、
- 未経験者歓迎
- 中高年の方活躍中
という求人募集をいくつも見つけることができます。
そういった、配達ドライバー未経験の人や年齢が高い人でも仕事ができるように、企業側もサポート体制を十分整えています。
35歳以上のフリーターの中には、総重量が8t未満の中型車が運転できる「旧普通免許」を持っている人も多く、そういった人は扱える車種が増えるので就職先の幅も広がります。
☆配達ドライバーの平均年収
約315万円
3-7. 現場作業員
建設業は、学歴や職歴を問わない求人募集が多くあり、「若手が入職しない」「就職してもすぐ離職する」といった人手不足も深刻なため、35歳以上のフリーターでも就職しやすい業種の一つです。
その中でも土木作業員は、
- 仕事を覚えやすい
- 工事の発注が多いので人手が必要
といったことから、未経験でも就職しやすいです。
それでも、肉体労働がメインなので、35歳以上であってもなるべく若くて元気な人の方が「体力がある」と判断されて有利になる場合もあります。
また、工事発注元が大手の場合は、雇用が安定していたり、恵まれた職場環境が整っていたりしますが、それ以外になると待遇が変わってくるので、企業研究をして就職先を選ぶことがポイントとなります。
☆土工の平均年収
約396万円
3-8. 警備員
警備員は、「武道や武術ができる人」「若くて体力がある人」しかなれないと思っている人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
企業は、「未経験者歓迎」といった経験がない人の採用を積極的に行っていて、特別なスキルがなくても仕事ができるように、数日間の研修を設けています。
また、健康であれば定年後も働ける警備会社や、中高年の求人募集も少なくありません。
警備員はなり手が少ないので就職しやすいのですが、
- 離職率が高い
- 仕事の割には給料が低い
- 屋外の仕事が多い
といったデメリットもあるので、その点に注意しておきましょう。
施設警備や交通誘導を行う警備員には、比較的年齢が高い人が多く働いています。
☆警備員の平均年収
約308万円
3-9. 清掃員
清掃員は、中高年が活躍している代表的な職種です。
清掃員の仕事には、個人宅や小規模オフィスなどの清掃を行う「ハウスクリーニング」と、病院や商業施設、オフィスビルなどの清掃を行う「ビルクリーニング」があります。
どちらも、汚い・キツイ・給料が安いというマイナスなイメージがありますが、職場によっては
- 単純作業で覚えやすい
- 好きな時間に働ける
- 接客をしなくてよい
といった働きやすさもあります。
求人は、年齢や資格、経験は問われないうえに入職者が少ないので、だれでも就職しやすいのですが、離職者も多いです。
☆ビル清掃員の平均年収
約241万円
4. 35歳以上で正社員になったフリーターは「職業紹介会社に登録」していた
35歳以上のフリーターは、どのような就職活動を行えば正社員になれるのでしょうか?
就職活動方法と正社員転換率についての調査があるので、その結果を見てみましょう。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「壮年期の正社員転換-JILPT『5年前と現在の仕事と生活に関するアンケート』調査結果よりー」2016年11月
この調査結果からもわかるように、性別に関係なく、「民間の職業紹介会社に登録した」人は、正社員になった人が多いです。
特に女性は、ここで紹介されている全ての方法の中で、最も多くの人が正社員になった就職活動方法です。
「家族・親族・友人・知人などに仕事の紹介を頼んだ」という人も多く、知り合いから紹介してもらえるという安心感はあるのですが、紹介してもらえる数や地域に限界があることがデメリットとなります。
その点、民間の職業紹介会社であれば、豊富な求人件数と常に新しい求人募集に出会うことができます。
また、気兼ねなく、簡単に利用できることも大きなメリットです。
「正社員になれない」「就職活動方法に悩んでいる」という人は、こういった職業紹介会社を複数利用すれば、正社員になれる可能性を広げることにつながります。
職業紹介会社で有名なものにリクルートエージェントがあります。
求人数が豊富で、キャリアアドバイザーも親切と評判ですので、ぜひ利用してみてください。
5. まとめ
35歳以上で就職先がなかなか決まらない人は、どの企業にも必要ない人というわけではありません。
35歳以上のフリーターが正社員になるためには、会社名や会社の規模、待遇だけで就職先を選ぶのではなく、就職しやすい職業の中から、自分の希望に合った就職先を見つけていくことが有効な方法です。
就職活動は、年齢とともに、今よりも過酷になっていきます。
就職しやすい職業があるうちに、できるだけ早く就職活動を行っていきましょう。
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