フリーターが正社員採用されやすい、おすすめの職種一覧
最終更新日: 2022年1月13日
フリーターの人数は、現在、およそ155万人。(※1)
その内、多くのフリーターが、安定した生活を目指して正社員への就職活動を行っています。
しかし、正社員として就職することができずに、フリーターのまま年齢が高くなる人が少なくありません。
そういったことを避けるためにも、フリーターの人が採用されやすい職種を知って就職活動を行うことが大事です。
ここでは、フリーターをしていた人が、正社員として採用されやすい、おすすめの職種を現役のキャリアアドバイザーが紹介します。
ぜひ参考にして、就職活動に取り組んでみてください。
※ 今回の記事は、2017年12月現在のものです。
※1 総務省統計局「労働力調査(詳細集計)平成28年(2016年)平均(速報)」より
1. 非正規社員(アルバイト、パート、派遣社員)が正社員として採用されている職種
フリーターが含まれている非正規社員(アルバイト、パート、派遣社員をしている人)が、正社員を目指して就職活動をした際に、比較的多く採用されている職種があります。
ここに、非正規社員が、正社員として採用された職種についての調査結果があるので、どのような職種で採用されているのかを見ていきましょう。
上のグラフが男性、下のグラフは女性を対象としたものです。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状②ー平成24年版「就業構造基本調査」よりー」
グラフからもわかるように、男性の非正規社員が正社員としてよく採用されている職種は、
- 1位. 「生産工程職」20.3%
- 2位. 「建設・採掘・運搬・清掃」17.9%
- 3位. 「販売職」13.7%
となっています。
「生産工程職」が働く製造業界は、求人数が多いことに加えて、仕事をマニュアル化している企業が多いので、未経験者の採用を積極的に行っていて、男性フリーターが多く採用されています。
女性の非正規社員の場合は、正社員として多く採用された職種が、
- 1位. 「事務職」29.8%
- 2位. 「サービス職」22.1%
- 3位. 「専門職・技術職」20.7%
となっています。
サポート業務を行う事務職や、気配りが重要なサービス職といった、女性らしい細やかさが評価される職種で採用されています。
こういった非正規社員がよく採用されている職種の求人は、
- 資格や学歴を問わない
- 職歴や経験がなくても応募できる
- 求人数が多い
といった特徴があり、「学歴」や「正社員未経験」を気にせずに応募できる求人が見つかりやすいです。
一方で、正社員の採用が少ない職種は、男性フリーターは「保安職」「農林漁業職」、女性フリーターは「農林漁業職」「運輸・機械運転職」「保安職」となっていて、求人募集数がもともと少ない職種であることも採用者が少ない理由の一つです。
特に、女性の場合はこれらの職種での採用はほとんどなく、労働環境や体力面において、女性の応募や採用がまだまだ難しい職種であることがわかります。
2. フリーターが正社員として採用されやすい、おすすめの職種
これ以降では、フリーターが正社員として採用されやすい、おすすめの職種を詳しく紹介していきます。
※平均年収は、doda「平均年収ランキング2017」(20~59歳男女)他を参考にしています。
2-1. 未経験からチャレンジできる営業職
個人営業、法人営業、建築物件セールス、保険外交員など
男性 約464万円 女性 約379万円
営業職は、商品やサービス、技術を、お客様に提案して、購入してもらえるように商談を行う職種です。
個人向け営業・法人向け営業・ルート営業といった、さまざまな営業方法があり、歩合制を導入する企業が多いので、学歴などの経歴に関係なく、実力次第で高収入を得られる可能性があります。
ほぼ全ての企業にある職種のため、求人数が多く、応募の際に資格や学歴、経験を問われることがほとんどありません。
未経験から営業職をはじめる人も多く、フリーターが正社員として就職しやすい職種の一つです。
2-2. 女性に人気の事務職
一般事務、営業事務など
男性 約379万円 女性 約314万円
事務職は、部署や会社がスムーズに業務を行えるように周囲のサポートをしていく職種です。
簡単な定型仕事やパソコン業務、電話・来客応対といったデスクワークが中心の仕事です。
求人の応募条件は比較的ゆるく、事務の経験がなくてもパソコンの基本操作ができれば、ほとんどの事務職に応募できます。
女性フリーターが正社員として最も多く採用されている職種ですが、パートや派遣社員といった非正規社員も多く活躍しています。
- 残業が少ない
- 力仕事がない
- 座って仕事ができる
といった、女性が働きやすい環境が整っているのでとても人気があり、正社員の求人数が多くても競争倍率は高くなることが多いので注意が必要です。
2-3. 入社後に経験を積める専門・技術職
システムエンジニア、ゲームプログラマ、ウェブクリエーターなど
男性 約443万円 女性 約394万円
専門・技術職は、専門的な知識や高度な技術を活かして業務を行う職種です。
「フリーターからは就職できない」というイメージを持っている人が多い職種で、求人の応募条件でも、専門的な知識や資格、経験を必要とするケースがあります。
しかし、上のグラフからもわかるように、フリーターの人が比較的多く採用されています。
その理由の一つは、専門・技術職には、入社後に知識や資格、経験を身につけられる職種もあるので、応募時点ではそれらを必要としない求人や、未経験者を採用してくれる企業が増えているためです。
そういったことから、今は知識や経験がないフリーターであっても、十分目指すことができます。
専門的な知識や資格があれば、学歴に対する劣等感が補えたり、年収や社会的信用度を高くできるなどメリットも多い職種です。
2-4. 長期的に働くことができる生産工程職(製造・検査・組立・加工など)
金属部品・衣料・食品などの製造・検査・加工、自動車や電化製品の組立など
男性 約354万円 女性 約270万円
生産工程職は、主に工場で、製品の製造・検査・組立・加工などを行う職種です。
ライン作業や定型仕事といった未経験者からでも慣れやすい仕事が多く、パートやアルバイトも活躍しています。
長期的に働く人が多いので、「辞める人が少なく出世が遅い」といわれることもありますが、正社員でも常に一定の求人数があるので、競争倍率は高くありません。
立ち仕事が多いのですが、男性は機械の運転や作業工程全般、女性は細かい作業といったように、男女の特性を活かして仕事分担をしている企業が多いです。
「集中力がある」「物作りが好き」「手先が器用」という人に向いている職種です。
2-5. 学歴・職歴を問わない求人が多い販売職
スーパー・量販店・百貨店の販売員など
男性 約353万円 女性 約292万円
販売職は、店舗でさまざまな商品を販売する仕事です。
正社員になる場合は、主に店長を目指して就職することになります。
求人募集では、学歴や年齢を問われることがほとんどないことや、飲料・食品から家電や雑貨といった生活に必要なもの、ほぼ全ての業種に求人があるので、フリーターが応募できる求人をたくさん見つけることができます。
店頭に立って接客をしながら商品を販売することが多いので、アピール力とコミュニケーション能力が必要とされます。
接客業の経験がなくても、入社後に商品知識や接遇マナーの教育を行う企業が多いので、未経験の人であっても人柄重視で採用されやすいです。
2-6. 好きを仕事にできるサービス職
宿泊業(ホテルスタッフ、旅館スタッフ)、飲食業、美容関連など
男性 約306万円 女性 約276万円
サービス職は、お客様に自社のサービスを提供したり、奉仕する職種です。
取り扱うサービスによっては専門知識や資格が必要な職種もありますが、入社後に研修や経験を積んで知識や資格を身につけていくことが多い職種です。
他の職種と比べると、休日が少なかったり、平均年収が低めですが、取り扱うサービスや業界が豊富なので、求人数は多いです。
そのため、興味がある分野で就職活動を行うことができるので、自分が好きなことを仕事にできるチャンスがあります。
お客様に満足してもらうことが大切なので、奉仕の気持ちが強い人や、お客様と上手にコミュニケーションが取れる人が採用されやすくなります。
2-7. 仕事にやりがいを感じられる医療・介護・福祉
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)、看護助手など
男性 約291万円 女性 約275万円
医療・介護・福祉関連の職種は、高齢者や障がい者、医療や介護が必要な人の、身の周りのお世話をする職種です。
長寿や高齢化にともなって、常に人手不足の状態にある職種なので求人数が多く、正社員の求人であっても資格や経験を問わない求人募集がたくさんあります。
また、勤務先は、個人宅から病院や老人ホーム、デイサービスといった施設まで、幅広くあります。
未経験から始めても、仕事をしながら経験を積んだり知識を身につけて、さまざまな資格を取得していけば、仕事の幅が広がってキャリアアップ可能な職種です。
2-8. 体力を活かすことができる運輸・配送・倉庫
ドライバー、配達スタッフ、倉庫管理、商品の仕分け・積込みスタッフなど
男性 約327万円 女性 約275万円
運輸・配送・倉庫関連の職種は、商品を安全に配送したり、商品の保管や管理を行う職種です。
求人条件では学歴や経験を問われることが少なく、運転免許(マニュアル車)か中型自動車免許(4t車)を持っていれば、ほとんどの求人に応募できます。
常に人手不足の業界なので求人数が多く、フリーターが応募できる条件の求人が見つかりやすいです。
物流関係は、商品を移動させたり、車の運転が長時間・長距離になることがあるので、健康で体力がある人に向いています。
車の運転が好きな人や、フォークリフトや大型自動車の免許を取りたいと思っている人は、それらが活かせる職種なので企業側にアピールしていきましょう。
2-9. 一人で働くことができる警備・清掃
ビルメンテナンス業、ハウスクリーニング、警備会社など
男性 約316万円 女性 約263万円
警備は、施設や催事の警備・交通整理や誘導・身辺警護を、清掃は、個人宅や施設、催事場の清掃やメンテナンスを行います。
私たちが快適な生活を過ごすことができるのは、こういった警備や清掃を行っている人のおかげなのですが、日中に限らず深夜に活動することがあったり、仕事内容がきつい・汚いというイメージによって、若者にはあまり人気の職種ではありません。
そのため、求人募集で学歴や経験を問われることはないにもかかわらず、競争倍率は低めです。
未経験者ができる簡単な仕事もありますが、専門的な知識やスキルが必要な仕事もあり、「警備業務検定」「ビルクリーニング技能士」「ハウスクリーニング技能士」といった、さまざまな国家資格を目指すことができます。
2-10. 人材不足で求人がたくさんある建設業
大工、土木、設備工(電気、水道、空調他)など
男性 約333万円 女性 約277万円
建設業は、建築や土木の工事を行う業界のことで、工事の内容によって大工や左官、とび、電気といったさまざまな職人が専門工事を行っていきます。
どの工事にも経験やスキルが必要な職種ですが、求人募集の段階ではそれらを求められたり学歴を問われることがほとんどありません。
体力が必要な仕事なので、年齢が若く健康であれば未経験者であっても採用されやすいです。
一人前になるまでには年数がかかりますが、その間に技術を見て学び、経験やスキルをしっかり身につけることができます。
未経験から始めても手に職をつけられる職種なので、いずれは個人事業主として独立する人もいます。
2-11. 試験に受かれば学歴は関係なし公務員
市町村役場の職員、消防官、警察官など
約590万円
公務員は、国や都道府県、市区町村といった地方自治体に勤務して、公共のために働く職種です。
民間の企業と違って景気に左右されることがなく、安定した終身雇用が約束されています。
公務員試験に合格するためには、しっかり勉強する必要がありますが、それだけの価値がある職種といえるでしょう。
公務員試験は、受験資格に年齢制限があるだけなので、中卒者でも高卒者でも学歴に関係なく受験可能です。
年齢制限が低年齢であったり、高校卒業後2年以内といった条件の職種もあるので、フリーターが公務員を目指す場合は、年齢制限に注意して公務員試験に向けて早めに準備をしていきましょう。
公務員を目指すフリーター向けの情報は、以下の記事で詳しく紹介しています。
こちらもあわせて参考にしてください。
※ 2017年4月26日 東洋経済ONLINE「最新!『公務員年収ランキング』トップ500」より
3. フリーターにおすすめの就職活動方法
フリーターの人が、効率的に就職活動を行うには、求人サイトや就職エージェントを上手に利用するとよいでしょう。
実際に、正社員に就職したフリーターの人には、こういったサイトを使っていた人が多いので、求人サイトや就職エージェントを利用するメリットを見てみましょう。
求人サイトを利用するメリット
- 1. 求人数が豊富
- 就職活動をする際に、求人サイトを使う人が多いので、企業も積極的に求人を出しており、全国各地やさまざまな職種の求人が求人サイトに集まっています。
- 2. 求人を応募条件などで絞り込むことができる
- 求人サイトには、検索窓が用意されていることが多いので、「フリーター」「未経験」「女性」などのキーワードで検索すると、応募条件にキーワードが含まれている求人だけを探すことができます。
- 3. スカウト機能が用意されている
- 求人サイトによっては、企業が応募者にスカウトメールを送る機能が用意されていることがあります。
プロフィールを登録しておくだけで企業からオファーが届き、届いた求人は書類選考が免除されることもあります。
就職エージェントを利用するメリット
- 1. 就職しやすい
- 例えば、A社の提供する就職エージェントであれば、就職成功率が80.3%で、サイト利用者の8割以上が正社員就職しています。
- 2. 自分にあった企業や求人を紹介してくれる
- スキルや学歴、希望条件などから、自分に適した企業や求人を見つけてくれます。
- 3. 就職活動のアドバイスをしてくれる
- 履歴書の添削や面接対策といった、就職活動対策を行ってくれます。
- 4. 登録が無料
- たくさんの求人情報の紹介や就職支援を提供してくれますが、利用料がかかりません。
以上のように、フリーターが、求人サイトや就職エージェントを利用するメリットはたくさんあります。
一方で、デメリットとしては、求人サイトや就職エージェントにある求人しか紹介してもらえないことです。
しかし、大手求人サイトであれば、取り扱っている職種や情報量が多く、求人が少ないと感じないはずです。
また、1サイトだけではなく複数サイトに登録しておくことで、応募できる企業や求人を充実させることができるので、このデメリットは解決できるでしょう。
以下の記事では、フリーターにおすすめの求人サイトや就職エージェントを紹介しています。
いずれも、フリーターから正社員への就職成功率が高く、人気の大手求人サイト・就職エージェントなので、ぜひ利用してみてください。
4. まとめ
正社員への就職活動を行っているフリーターの中には、「学歴」「未経験」「資格なし」について劣等感がある人は少なくありません。
しかし、ここで紹介したフリーターにおすすめの職種のように、「学歴」「未経験」「資格なし」のフリーターから正社員を目指す求人はたくさんあります。
フリーターの人も、やりたい仕事や興味のある商品やサービスにこだわって、正社員への就職活動を行ってみましょう。
フリーターから正社員を目指すための就職活動を行う方法については、以下の記事で解説しているので、参考にしてみてください。
フリーターに人気の就職サイトランキング
フリーターが利用している人気の就職サイトを、ランキングにして紹介しています。
※ランキング調査期間:2021年1月31日~2022年1月31日
JAIC(ジェイック) |
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