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公認会計士・税理士の小松秀一朗さんに、大学中退者が公認会計士を目指すことについてお聞きしました。
最終更新日:2018年4月26日
大学中退後に公認会計士や税理士などの高度資格取得を目指す人もいるので、現在、公認会計士・税理士として活躍中の小松秀一朗さんに取材を行いました。
以前は、監査法人で働いておられましたが、今は独立して、ITを利用した中小企業の税務相談やコンサルタント業を行い、急成長している会計事務所の代表をされています。
最新技術である、クラウドやAI技術を駆使して仕事をされていますので、今後、会計や税務の仕事はどう変わっていくのかについても詳しくお話を聞くことができました。
大学中退者向けのアドバイスも頂いていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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1. 大学中退者が公認会計士や税理士を目指すことをどう思いますか?
小松:やりたいなら、是非目指したら良いと思います。
まだまだ若いので、難しくはない。
しかし、公認会計士になりました。
思っていた仕事と違いました。
そもそも公認会計士になりたいわけではなかったといって、せっかく資格を取得したのに、2か月、3か月で辞めてしまう人もいます。
すぐに辞めるのはよくないと思って、1、2年頑張ったけど、やっぱりどうしても、興味が持てないと辞めた人もいます。
やりたいことがある、やりたいことをやるには、公認会計士にならないといけない、というようなことであれば、公認会計士や税理士を目指したらよいです。
まだ、情報を得ていないなら、ネットなどで調べて、こういった仕事がしたいと思えたなら、資格を取ったらいいと思います。
しかし、今の自分(大学中退)では、就職できないのじゃないか、もう一回大学を受けるとなるとしんどいんじゃないか、色々大変そうだから資格取ったほうが楽なんじゃないか、そしたら稼げるかもしれないなぁ、といった安易な考えで資格を取ってほしくはないです。
取るためには、努力をしなければならないですし、勉強をたくさんしなければならないのに、努力が途中でできなくなってしまうと思います。
仮に努力の結果、合格したとしても、就職後に「もともとこんなことしたかったのか?」となってしまうと、その何年間かがすごくもったいない時間になってしまうのでよく考えたほうがよいです。
1-1. 公認会計士は給料がよいというイメージがありますが、給料がよいというだけで公認会計士になっている人はいますか?
小松:実際に口に出して言っている人を見たことはないですが、そういう人もいると思います。
公認会計士は初任給からすごくよいですし。(年収700万円前後)
しかし、人生のほとんどの時間は仕事をして過ごしていくことになります。
お金のために、 その多くの自分の時間を使って欲しくはないですね。
毎日の仕事が楽しくて、ちゃんと生活ができている、人のためになっている、そういうものを提供できる人生のほうが楽しいと思うから、そこを目指してほしいと思います。
1-2. 公認会計士より税理士のほうが人数が多いのはなぜですか?
小松:公認会計士や弁護士になれば、条件はあるのですが、税理士の資格も取れるので、それで、税理士をしている人もいます。
税務署に勤務して、ある程度年数が経てば、税理士になる方法もあるので、税理士の登録者数が多くなっているとは思います。
公認会計士は、7科目一気に合格する必要がある。
税理士は、1科目ずつ合格することができる。(働きながら取得できるので、税理士のほうが目指しやすい)
実際には、どちらも難しいのは変わらないと思います。
税理士は全て合格しなければならないが、公認会計士は1科目苦手なものがあっても他の科目でフォローはできます。
2. 公認会計士を目指すための勉強方法
2-1. 専門学校には通うべき?
小松:独学で勉強して合格するという方法もあるのかもしれないが、僕の周りでは見たことがないです。
さすがにあの分量の勉強を独学でやるのはかなりの根性がいるな、とは思います(笑)
また、試験員には、問題を出す傾向などがあり、こういったところを出してくるだろうということまで専門学校では教えてくれるので、専門学校で教わったことをミスなく答案にすることが合格への絶対条件な気がします。
2-2. 勉強時間はどれくらい?
小松:私の場合は、朝の7時くらいに専門学校に行って、夜の10時くらいまでは勉強していまし た。
また、毎朝5時に起きて、6時までは自宅で勉強していました。
もう一回同じことをしろといわれてもできないと思います。(笑)
22、23歳くらいの時から3年間です。
途中で休憩はもちろんいれています。
土曜日の夕方からは友人と遊ぶなどしていました。
編集者メモ
公認会計士の平均勉強時間は、3,000~5,000時間
税理士の平均勉強時間は、2,500~5,000時間
と言われています。
2-3. 勉強のコツ
小松:コツをつかめば1年間で受かる人もいます。
僕はコツがつかめていなかったかもしれない。
⾧く勉強したからといってよいとは限らず、効率的に勉強できていれば1年間でも合格できる。
現に一生懸命勉強をしている人は受かっていました。
2-4. 大学中退者へアドバイス
小松:高卒から公認会計士になっている人もいたので、学歴は気にする必要はないです。
学歴が役にたつのは、勉強(努力)をする習慣がついていると認識してもらえることくらいです。
同じように、それ以上に努力ができるのであれば、何も問題はありません。
3. 公認会計士資格取得後の就職先
3-1. 就職先企業の種類
小松:公認会計士はほぼ監査法人に就職します。(国は一般企業にも入ってほしいと思っていて、公認会計士の合格者数を増やそうとしていた。しかし、一般企業へ就職される人はほとんどいません)
3-2. 企業の規模
小松:会計士事務所の大手には、トーマツ監査法人、新日本監査法人、あずさ監査法人などがありますが、待遇はどこも大きく変わりません。
資格取得者には、大手を目指す人が多いです。
合格者数は現在は年間1,000人くらいで、大手がほとんどの会計士を採ってしまいます。
企業を選ぶ際には、どういう仕事がしたいかが大事です。
大きな企業では分野がたくさんあり、上場支援部門、 純粋に監査だけする部門があったり、選択肢が広がります。
中小であれば、すべてを少しずつ経験できます。
今は、公認会計士への引手が多いので、就職はできます。
3-3. 就職後の、仕事内容
小松:公認会計士は監査をする。
簡単に言えば、大企業が嘘をついていないかどうかを調べる仕事です。
税理士は税務業務です。
身近に言えば、アルバイト代から税金が取られる、会社は利益を出すと税金を支払わないといけない、そういった計算をわからない人たちの代わりに計算している仕事、とイメージしてもらったらいいのかなと思います。
大学病院の医者(公認会計士)と町のお医者さん(税理士)でよく例えられますが、半分合っていて、半分間違っている例えだと思いますが。
3-4. 仕事時間
小松:基本は 9時5時です。
忙しい時には、家に帰れないときもありました。
しかし、残業代はきっちり出ます。
3-5. 給料
小松:公認会計士は、初任給で700万円前後。
税理士は、初任給200万円、300万円からスタートします。
3-6. キャリアアップ
小松:やりたいことがあれば、ある程度の意向は聞いてくれる印象。
僕は、3年目で現場のリーダーになっていました。
4. IT技術やAIの発達が、会計の仕組みを変えていきそうですが、いち早くIT技術を活用されている小松さんから見て、IT技術などの進展はどこまで広がっていくと思いますか?
小松:会計士にも税理士にも、影響はあると思います。
機械的な作業がAIなどが判断してくれるのであれば、人間がするよりもエラーが少なくなるので、よいと思います。
IT、AIは歓迎すべき技術ですが、公認会計士や税理士には、歓迎する人と、それを脅威と取っている人、そしてIT技術の進歩についてきていない人がいます。
独立当時、士業には IT技術の進歩についてきていない人が多いことに驚きました。
また、 ある程度の情報は新聞等で得ていたとしても、それを脅威と思っている人がほとんどだったので、僕は独立後もすごくやりやすいです。
彼らは進歩していかない。
仮にAIがダメと考えてしまうと、自分が成⾧することができない。
逆にAIを自分よりも上の存在だと思うならば、それを超えていかないといけない。
超えられるサービスは何だろうと考えることができる。
彼らとどうやって共存していくのか、彼らとどうしたら人に役に立つサービスを提供できるんだろうか、といった考えで僕は仕事をしています。
付加価値を考える際に、人間だけの力は限られていると思います。
ある程度のことはシステマチックにしていく必要がある。
そこで、AIの力を借りていく必要がある。
AIが基本的な土台を固めていってくれるのであれば、僕らは上澄みの部分を作っていけばいいのです。
そこは歓迎して、どんどん取り入れていかなければならないと思うし、それがあること前提に次の未来を考えていく。
AIが会計士や税理士の仕事を奪っていくことを前提として、その後に自分は何を提供できるかを考えて、資格の勉強をしていかなければいけないと思います。
4-1. AI が完全に仕事を奪っていくとは考えていないですか?
小松:くるなら、そこまでだったのかなと思っています。
僕らの仕事はしょせんその程度だったんだなと。(笑)
ただ、僕はAIが現時点でできないことはコミュニケーションだと思っているので、そこを強化しています。
仕事は、プロフェッショナルとワーカーに分かれています。
ワーカーは言われたことをしているだけ。
いわゆる機械的な作業です。
新しいことを生み出すことができない。
今後、AIがワーカーの仕事を奪っていく。
まさに機械的な作業なので。
同時に、小さいプロフェッショナルの集団がたくさん生まれてくる。
なぜなら、彼らには何千人の従業員はいないけれども、AIをうまく活用するだけで業務を回すことができるから。
そしてプロフェッショナルな集団が、別のプロフェッショナルチームとコラボして新しい付加価値を生んでいく。
これは、決して集団でないといけないわけではなく、個々でも本人がプロフェッショナルであればよいのです。
だから学歴ではなく、これからは今まで以上にいかにプロフェッショナルとしての仕事ができるかどうかが重要になってくると思います。
5. 小松さんは独立されていますが、独立をおすすめしますか?
小松:人それぞれの考え方だから、大企業で働くのもよいと思いますが、どういった形で働くとしても、どれだけプロフェッショナルでいられるかが重要です。
仕事ができる人は、100点の仕事ができる。
しかし、それは当たり前なんです。
右から左に移してといわれて、右に移す人はいない。
例えば、右から左に移してといわれても、そこでどういうことをしたら、この人が幸せになれるのだろうと考えるのが、プロフェッショナルです。
独立して上手くやっていこうとするならばプロフェッショナルにならざるをえないし、新しいものを生み出さないといけない。
5-1. 独立を決めたきっかけは?
小松:小学生の時から社⾧になりたいと言っていました。
独立したいというのはずっと頭にありました。
5-2. 独立後の経過
小松:はじめはすごく貧乏でしたね。
何千円の仕事でもいいから取りに行っていた。
ここまで成⾧できたのも、なんでもやってきたから。
今でも、依頼されれば、公認会計士や税理士の業務以外にホールスタッフも飛び込み営業もやる。
色々なことをやっていると、また新しいチャンスがやってくるかもしれない。
新しい発見があるかもしれない。
自分の専門分野だけでなく、違う視点も入ってくるので、プラスになることが大きいです。
6. 最後に大学中退者向けのメッセージをお願いします。
小松:プロフェッショナルになれ、そのための努力をしろ、そして、一生懸命やれ。
大学中退を選択したことは、理由にもよりますが、すごく良いことだと思っています。
嫌だと思っても、その嫌なことをやり続けなければならない人もたくさんいます。
社会人になって、仕事に関して愚痴を言い合う人も多い。
愚痴をいうなら環境を変えればいいのに、そして極論するなら仕事を辞めればいいのに、辞める選択肢を選ばない。
確かに給料を稼いでくることは必要だし、家庭を守っているという点でも素晴らしいとは思います。
でも愚痴をいっているということは自分を犠牲にしているということ。
もしも、大学に行き続けていると愚痴を言い続ける人生だったのかもしれない。
ただ、そこを止めた、踏み出したというのは前進だと思っているし、僕は拍手を送りたい。
これからも、妥協せずに、自分自身のやりたいことをやっていって欲しいと思う。
もし、やりたいことがなかったとしても、それは今ある選択肢の中から探すから見つからないだけなのかもしれない。
自分のやりたいことを振り返った時に、できる選択肢から選ぶのではなく、できないことも含めて選択肢を作ればいい。
自分もそうなのですが、できることから考えることが多いのですが、それは自分が楽をしたいだけ。
できる、できないではなくて、やるか、やらないかの判断が大事。
やりたいことをやらないと人生は楽しくない。
そういった選択肢を、どんどんやっていてほしいと思います。
やりたいけど、できない選択肢をとった時には、努力が必要になる。
僕自身も独立した当初は、できないことだらけだったけど、努力をして今に至ります。
やりたいけど、できないことは怖くなる。
だって努力が必要になるから。
でも、やりたいか、やりたくないかと言ったら、やりたい。
そのためには、努力をするだけの話。
それが人生だと思っている。 やりたくないと思っていることを何十年もやるより、やりたいと思っていることをやって、それを仕事として時間を使っていく。
そして、やりたいと思ったことに対して、いかに人のためになるかを考えて努力をするとプロフェッショナルになれる。
プロフェッショナルということは、お客さまに対して価値を生み出せているということ。
それがお客さまの評価として返ってくる。
それが自分のモチベーションとしても返ってくる。
そこには一切、学歴であったりお金が関係してこない。
やりたいことをしているだけ。
20年の人生では、学歴で評価されることもあるかもしれない。
しかし、仕事をして何年もたつと学歴どうこうなど、ほとんど問題になることなどない。
いかに、プロフェッショナルとして価値を生むための努力をしてきたかどうかです。
自信を持てばいい。なんでもできる。
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