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大学中退理由別の面接回答例文20選と大学中退理由ランキング
最終更新日:2024年5月7日
大学中退者が面接まで進んだ時、ほぼ100%聞かれるのが「大学中退理由」です。
ほとんどの面接官は「大学中退」に良いイメージを持っていませんが、「大学を中退しているから」という理由だけで不採用になるわけではありません。
面接官が納得できる「大学中退理由」を説明できるかどうかが、面接評価に大きな影響を与えます。
ここでは就職支援を15年以上行ってきた経験を元に、面接での「大学中退理由」の回答方法の解説と回答例文を20例紹介します。
また大学中退理由の履歴書への書き方についても解説します。
国が調査を行った結果を元に、大学中退理由のランキングも紹介しているのでチェックしてみてください。
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1. 自己紹介での大学中退の説明
1-1. 自己紹介で大学中退について軽く伝えておく
面接のはじめに「自己紹介をしてください」など、面接を受ける側が自由に話せる指示を面接官から頂いたら、この時点で大学中退をした事実について軽く話しておくとよいでしょう。
「私は鈴木太郎と申します。9月に○○大学を中退して、今現在は百貨店で青果品の販売のアルバイトをしています。しかしアルバイトでは生計を立てたり、キャリアを築いたりすることが難しいと感じていましたので、今年の10月から正社員を目指して本格的に就職活動をはじめました。インターネットを利用して企業について調べる中で、御社の取り扱う商品に興味を持ち、このような商品を広める仕事がしたいと思い、営業職の求人に応募させていただきました。本日はどうぞよろしくお願いいたします」
大学中退予定の場合は、以下のように自己紹介をするとよいでしょう。
「私は○○大学3年の高橋翔太と申します。事情により大学中退をする予定ですので、今現在就職活動を行っています。大学では経営学について学び、ゼミでは様々な企業の経営事例を調査研究しています。またテニスサークルに所属しており、副キャプテンとしてチーム編成や活動の予定管理などを行っております。本日はこのような貴重な時間を与えて頂きありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします」
このような形で大学中退について伝えておけば、次の面接官の質問で、以下のように大学中退理由について深く質問されるはずです。
「大学中退をした(大学中退予定の)理由について詳しく教えてもらえますか」
ここでうまく回答できれば、面接の早い段階で大学中退者にとっての最大の問題点を解決できます。
例えば面接時間が15分であれば、5分以内に問題を解決し、残り10分をアピール時間に使えます。
大学中退者が面接で比べられるライバルは、フリーターや正社員未経験者など同じような経歴を持つ人たちであることが多いです。
その人達に比べて弱みになる「大学中退理由」を早めに解決すれば、それ以降は他の人達と対等の状態で面接に臨めます。
1-2. 自己紹介で大学中退理由について話すべきか?
「経済的な理由」「介護」「就職」など、やむを得ない事情や前向きな理由の場合は、自己紹介で大学中退理由について話しておくと、大学中退の「継続力がない」というマイナスイメージを自己紹介の時点で軽減できます。
例えば経済的な理由の場合は、上記の例文に加える形で、
「経済的な理由で大学を中退しました」
と話すとよいでしょう。
しかし「人間関係」「学業不振」などの場合は「人間関係が理由で大学を中退しました」と話すと印象が悪くなります。
また自己紹介の時点で印象をよくするための説明をはじめると、それだけで時間を取られて他のことを話す時間がなくなったり、説明不足で逆に不信感を与えたりします。
自己紹介は1分程度で簡潔に終わらせることが大事です。
自己紹介の時点で無理に中退理由を話さなくても、大学中退者はほぼ100%面接の質問で大学中退理由を聞かれるので、その時点で詳しく説明するとよいでしょう。
2. 大学中退理由を質問された時の説明の仕方
2-1. 面接官から見た大学中退者の印象
面接官は大学中退者に対して、
- 「採用してもすぐに辞めるのではないか」
- 「計画性・継続力がない」
- 「中途半端」
などネガティブな印象を持ちがちです。
それでも中退者を面接に招いて応募者を知ろうとするのは「中退しているが優秀な人材かもしれない」という期待があるからです。
そのため面接では大学中退理由を通して、
- 「大学中退と同じ理由で仕事を辞めないか」
- 「責任を持って仕事に取り組めるか」
- 「応募者の考え方や人柄」
といったことを確認します。
「前向きな理由」「後ろ向きな理由」どちらのケースでも、大学中退をした事実に関しては反省をして「前向きに働くための努力をしている」というようなプラスの話につなげることが基本です。
また面接はあくまで自分をアピールする場なので、中退理由を聞かれたときは「経済的な事情で...」「人間関係で悩んだので...」など曖昧な説明は避けはじめから詳しく説明しましょう。
面接官が聞きたければもっと深く聞いてくるだろうと考えていても、何も聞かれず納得してもらえないまま面接が終わることもあります。
2-2. 中退理由は嘘をつかずポジティブに伝える
大学中退理由の中には「人間関係に悩み中退」「単位不足で留年が確定し中退」などネガティブな場合もあるでしょう。
実際、大学中退理由はほとんどの人がネガティブになりがちです。
しかしこのような理由をそのまま伝えると「仕事でも仲のいい人ができないと辞めるのではないか」「困難な場面で努力できない人」といったネガティブな印象を持たれかねません。
嘘の中退理由を話す必要はありませんが、
大学の勉強がつまらない → 大学の勉強より○○の仕事への関心が高くなった
のようにポジティブに言い換えると、面接官が受ける印象は大きく変わります。
また素直に反省点を伝えた後、以下のようにポジティブに締めくくるのも好印象です。
- 大学中退の反省点や失敗から学んだことを仕事で活かせる
- 大学を途中で辞めることにはなったが、中退を考えたときに自分の人生について真剣に考えられた
- 大学に通うより早く働きたいと思った
ただしどれだけポジティブに締めくくっても「大学の授業のレベルが低かったから」など大学中退を自分以外のせいにする発言をすると「問題が起きたときに人のせいにする人」という印象を持たれるので注意しましょう。
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3. 大学中退理由の回答例文と解説
ここからは大学中退理由別に回答例文を紹介します。
3-1. 大学で学びたいことがなくて大学中退した人の回答例文
「受験で第一志望の大学に落ちてしまい、とりあえず大学は卒業しておこうという安易な考えですべりどめの大学に進学してしまったため大学に通う意味が見出せませんでした。奨学金を借りていたこともあり、このまま何となく大学に通うくらいなら、以前から関心の高かった接客業で働きたいと思い中退を決めました。今思い返すと、高校生の頃から何のために大学に行くのかを考えて進学すべきだったと反省しています。しかし、中退という結果にはなってしまいましたが、大学に進学したからこそ自分の将来について真剣に考えることができました。今は早く働いて接客のスキルを高めたいという気持ちでいっぱいです」
「大学で学びたかったこととカリキュラムに違いがあり、このまま目的無く大学生活を送るより早く働いて経験を積みたいと思い中退しました。高校時代は大学に合格することが目標になっていましたが、何のために大学に進学するのかを考え、大学についてきちんと調べておくべきだったと反省しています。就職では同じ失敗を繰り返さないよう、企業研究や自己分析を徹底して行いました。その中で、御社の〇〇に魅力を感じ、今回応募させていただきました。仕事でも思っていたことと違うことはたくさんあると思いますが、どのような状況でも自ら積極的に仕事のやりがいを見つけていきたいと考えています」
<解説>
- 想像していた授業内容ではなかった
- 大学で学ぶ内容が将来役に立つのか疑問を感じた
など想像していた大学生活ではないことが理由で、大学に行く意味が見いだせず中退する人は少なくありません。
しかしそのままストレートに伝えると、
- 「この人は就職後も自分の想像していた仕事ではなかったと言ってすぐに仕事を辞めてしまうのではないか」
とネガティブに捉えられます。
どれだけ企業研究や自己分析をしても、想像していた業務ではなかったり社内の雰囲気が合わなかったりと、入社前とのギャップは多かれ少なかれ生じるものだからです。
この場合まず以下のように伝えると面接官も共感しやすく、正直な姿勢によい印象を持ってもらいやすいです。
- 「とりあえず大学は卒業しておこうという安易な考えで、大学についてあまり調べずに入学してしまった」
- 「大学に合格することが目的になっていて、何のために進学するのか考えていなかった」
正直に反省した後、大学中退の経験を就職活動や仕事にどう活かすのかを話して、前向きに締めくくりましょう。
また「やってみたい仕事があった」など働くことへの意欲が伝わる内容も加えると、「ただ大学がつまらないから中退したのかな」というネガティブな印象を持たれにくいです。
3-2. 学業不振や単位不足で大学中退をした人の回答例文
「中退した大学は、高校時代の私の学力より高いレベルでしたが、精一杯勉強し合格できました。入学後は、サークルやアルバイトなど充実した学生生活を送っていましたが、授業内容は難しくいくつか単位を落としてしまい、留年して親に迷惑をかけたくなかったので中退しました。テスト前は勉強も頑張っていたのですが、元々高いレベルの大学に進学したのだから、周りの友人より毎日もっと勉強しておくべきだったと反省しています。大学中退をしているので、仕事まですぐに辞めるようなことはしたくないと思っています。ですので、自分の「したいこと」だけでなく、「できること」や適性をよく考え、さまざまな企業や職業の中から、御社で△△職として働くことを希望させていただきました。大学中退の経験をしたからこそ、入社後は人一倍努力し、必要不可欠な人材になりたいと考えています」
「大学一回生の頃からインテリアショップでアルバイトをしているのですが、自分を指名して下さるリピーターの方が増えるなどやりがいがありました。その結果アルバイトに力を入れ過ぎて、恥ずかしながら単位が取れず留年したため退学しました。大学受験では家族に支えられたので中退という形になってしまい申し訳ない気持ちも大きいですが、大学に進学しアルバイトをしたからこそ本当にやりたい仕事を見つけることができました。大学中退後は社会人になるので、仕事に活かせる知識を増やそうと通信教育でインテリアコーディネーター資格の勉強に励みました。一次試験は突破することができ、2次試験に向けて現在勉強中です。入社後は人一倍努力し、社内で一番リピーターの多いスタッフになりたいと考えています」
<解説>
大学中退理由が学業不振や単位不足の場合は、
- 「努力不足」
- 「仕事でも大変なことを乗り越えられない」
とネガティブな印象を持たれやすいので伝え方に工夫が必要です。
中退に至った経緯を述べる際には「勉強についていけるように努力したエピソード」や「反省」「大学中退から学んだ事」を同時に伝えると、誠実な印象を持ってもらえます。
また「資格取得など現在努力していること」や「大学中退の経験を今後どう活かすのか」「社会人としての今後の目標」について話すと、仕事への前向きな姿勢をアピールでき、今後の仕事ぶりに期待してもらえるでしょう。
例文にあるようにアルバイトやサークルなどを熱心に取り組んだために学業がおろそかになったケースでは、学生の本業は学業ですのでネガティブな印象を与える可能性はあります。
しかし、その経験を通して自分がやりたいことを見つけられた場合は、進路変更をしたという印象を残すことができ、ポジティブに受け取ってもらえる場合もあるでしょう。
何よりも大切なのは、中退を経験としてどのように受け止め、それを通じて何を学び、どのように成長したかを前向きに伝えることです。
3-3. 経済的な理由で大学中退をした人の回答例文
「大学在学中に父親が経営する事業が倒産し、学費を工面することが難しくなりました。奨学金を借りてでも大学は卒業しようと思い、奨学金について問い合わせましたが、学費納入期限が近付いていたため手続きが間に合わず中退しました。途中で辞めないといけないことに悔しさもありましたが、以前から関心のあったEC販売の仕事について調べていくうちに、今は早く働きたいという思いが強くなりました。そのように思えたのも、低価格と流行を兼ね備えている点で競合他社とは一線を画している御社のサービスに出会えたからです。現在は私も御社を盛り上げられる一員になりたいと思っています」
「金銭的に余裕のある家庭ではなかったので、大学の学費は奨学金を借りて、一人暮らしの生活費と家賃はアルバイトでまかなっていました。入学前に一人暮らしにかかる費用を試算していたのですが、実際は試算よりも出費が多く、それに比例してアルバイトに費やす時間が多くなってしまいました。その結果、アルバイトと学業の両立ができず中退しました。もっと余裕のある計画を立てるべきだったという後悔もありますが、アルバイト先のホテルでは、自分のおもてなしでお客様が喜んでくださるなど、接客業の魅力を知ることができました。高校卒業時点では自分のやりたいことが明確ではなかったので、中退という結果にはなってしまいましたが、進学してよかったと思っています。就職後は、アルバイトよりも多くのことを求められると思いますが、もっとお客様に喜んでいただけるよう、日々スキルを磨いていきたいです」
「在学中にお付き合いをしている方に子供ができたので、結婚することを決めました。突然のことで中退するか悩みましたが、父親として自分が家族を養うべきだという思いが強くなり、中退して就職する道を選びました。最終的に中退してしまいましたが、大学では心理学を専攻しており、客の購買心理について研究・発表した経験もあります。自動車の販売の仕事は、お客様と円滑なコミュニケーションを行うことが大事だと聞き、大学で得た知識を御社で活かすことができればと考えています」
<解説>
経済的な理由など「自分に落ち度がなく、どうしても中退せざるをえない理由」の場合は、ストレートに中退理由を伝えても面接官も理解してくれます。
ただし「経済的な理由で...」「家庭の事情で中退しました」とだけ伝えるのではなく、内容をきちんと説明するようにしましょう。
事情を説明したあとは、
- 「やむを得ない事情で中退はしたが、○○という経験から○○の仕事に興味を持ち御社で働きたいと思った」
- 「早く社会人になれると前向きに捉えている」
というように応募先の企業や職種で働きたい気持ちを強調するとよいです。
2つ目の例文は直接的な原因は「アルバイトに没頭しすぎたため」かもしれませんが、根本的な原因は「生活費を自分で捻出しないといけない」という経済的理由にあります。
このような場合「アルバイトに力を入れすぎたため」という内容で伝えるより、経済的理由に重きを置いた方が好印象です。
3-4. 病気のため大学中退をした人の回答例文
「大学在学中に~の病気を患ってしまい、頑張って大学に通おうとしたものの、通学するのも難しくなり退学することにしました。退学後は一時的に入院をしたのですが、退院してからは順調に回復して、今現在はお医者様から働くことに問題のないレベルにあるといわれています。病気で大学中退することに悔しい思いもありましたが、病気を経験したときにたくさんの人に支えられたことで、私も人の役に立てる人材になりたいという思いが強くなりました。仕事では、社内外のスタッフやお客様に喜んでもらえるよう、どのような業務でも常にベストを尽くします」
「大学在学中に○○の病気を患ってしまい、長期入院が必要だったためやむを得ず退学しました。現在は回復しており業務に支障はありませんが、定期健診で3か月に1度お休みをいただく必要があります。病気をしたことで、多くの人が小中高大と休むことなく進んでいく人生のレールから一度降りることになり、当時は不安で先が見えませんでした。元々すぐに落ち込んでしまう性格だったので、初めはとにかく毎日落ち込んでいましたが、徐々に「病気をネガティブな経験にしたくない」と思うようになりました。そう考えるようになってから、闘病中も落ち込むことが少なくなり、回復した今は病気をする前とは人が変わったように前向きになりました。入社後は、病気で得た向上心を武器に、常に上を目指していきたいと考えています」
<解説>
面接では業務遂行に影響のない病気について質問することは、就職差別にあたるため禁止されています。
病気が理由で中退した場合でも、業務に支障がないのであれば無理して話さず、他にも中退理由があるのならその理由を伝えるのもよいです。
しかし、
- 業務に支障がある
- 病気をした事実について企業に知っておいてほしい
っといった場合は病気について伝えましょう。
その際は「私は○○という病気で中退しました」とだけ話すのではなく、病気になってから退学するまでの状況や現在の病状などを公開できる範囲で詳しく伝えましょう。
面接官は「業務に支障がないか」を一番気にするので、完治している場合は現在は完治していて業務に支障がないことを、完治していない場合は業務に支障がないか、支障があるならどのような点かを具体的に伝えておきましょう。
病気が理由で中退している場合、大抵やむを得ない事情だったと納得してもらえますが、病気をしたことで得たものや、病気の経験を今後どう活かしていくのかについても伝えると「大変な経験を前向きに捉えられる人材」として高く評価されます。
3-5. 精神的な病気で大学中退をした人の回答例文
「大学では理工学部に在籍していたのですが、研究に打ち込むあまり体調管理がおろそかになってしまい、体調を崩し退学しました。1年間の静養を経て完治し、現在では体力も回復していますので、仕事には問題ありません。体調を崩してしまったことは自分の管理能力不足であり、就職では同じ失敗をしないよう、ワークライフバランスを大切にしている企業で働きたいと考えています。しかし、大学中退で何の経験もない状態では、御社のようなワークライフバランスを大切にしている企業には入社できないと思い、静養中は大学で学んだプログラミングの知識をさらに高めました。入社後はワークライフバランスを大切にしながらも、向上心を常に持って働きたいと考えています」
<解説>
精神的な病気には、うつ病、パニック障害、統合失調症などがありますが、完治していて業務に支障がない場合、自己申告は必ずしも必要ではありません。
精神的な病気になったことを伝えると、どうしても「入社後も大変なことがあると精神的に病んでしまうのでは」と不安に思われる可能性が高いです。
上記に例文は記載しましたが、もし「経済的にも苦しかった」など精神的な病気以外に思い当たる中退理由があれば、そちらに変えて伝えることも検討してみましょう。
精神的な病気のことを正直に伝える場合も「うつ病になったので...」など病名を出す必要は無く、例文のように「体調を崩してしまった」程度に留めておいて構いません。
しかし「体調を壊したときはどのような症状だったのですか?」と深掘りされて返答に詰まってしまう可能性もあります。
このように精神的な病気で中退したことを伝えるのはリスクもあるため、自分だけで対処しようとせずに、民間企業が提供する就職エージェントを利用してアドバイスをもらいながら就職活動を行うとよいでしょう。
面接の回答方法を教えてもらえるだけでなく、担当のキャリアアドバイザーが精神的な支えになるはずです。
大学中退者向けの就職エージェントを以下の記事で紹介しているので、ぜひ活用してみてください。
大学中退者におすすめの就職サイト(就職エージェントと求人サイト)17選
3-6. 就職するために大学中退をした人の回答例文
「アパレル販売のアルバイトでやりがいを感じ、大学に通うよりも早く本業として働きスキルを高めたいという気持ちが強くなったからです。卒業後に働くことも考えましたが、奨学金を借りていたこともあり、このまま目的なく大学に通うくらいなら、やりたい仕事に専念したほうがいいと思い大学中退しました。高卒と大卒で給与に差があることは知っていますが、御社は個人売上に応じてインセンティブがいただけるので、インセンティブ額では誰にも負けないという気持ちで頑張りたいです」
<解説>
どのような職種を目指すとしても大卒の学歴がハンデになることはないため、
- 「卒業を待たず中退してまで就職したい理由は何だろう」
と面接官は疑問に感じます。
そのため「奨学金を借りていたから」「家計が苦しかったから」など、やむを得ない事情がある人はその点も説明することをおすすめします。
なにより「中退を決めるほどやりたい仕事が見つかった」という、その仕事に対する熱意をアピールすることが大切です。
3-7. 人間関係で大学中退をした人の回答例文
「大学ではテニスサークルに加入していたのですが、その中でちょっとした話の行き違いから友人との仲が悪くなってしまい、大学に通うのもつらくなり退学をしてしまいました。退学後は、家で悩んでばかりで、親にも心配を掛けましたが、このままではいけないと思い就職活動に取り組みはじめました。仕事では学生時代よりも人間関係が大事だと聞いていますが、大学で経験したことも活かしながら、社会人としてよりよい人間関係を構築できるように努力していきたいと思います」
「大学では友人がたくさんいたのですが、ちょっとしたことから友人との仲がこじれてしまい、修復するのが難しくなりました。それ以降も頑張って大学に通っていたのですが、やはり孤立したまま通うのは難しく中退をしました。中退後はレストランでアルバイトをしていたのですが、そこでは人間関係に気をつけていたので、特に問題なく働くことができました。2年目からはフロアマネージャーを任せられるなど、店長から信頼も得られていたように思います。社会人になってからは人間関係がより重要になると思いますので、これまでの経験も活かしながら、上司や同僚、お客様との間に信頼関係を築けるように努力していこうと思います」
「大学にはじめのうちは楽しく通っていたのですが、元々人見知りだったこともあり人間関係がうまくいかず、勉強やサークルから足が遠のいてしまいました。そうしているうちに、大学に通う意味や目標を見失い中退をしました。しかし、その後に本屋の店員やレストランのウェイターなど色々なアルバイトを経験して、人と関わることの大切さや楽しさを感じました。自分とは違う考え方も尊重しながらコミュニケーションを取るように努力するようになってからは、人間関係に困ることもなくなりました。中退をしたことでさまざまな人と関わることができ、人間関係を円滑にするすべも学ぶことができたので、私にとって貴重な機会だったと今は思います」
<解説>
学生時代に人間関係で悩むことは珍しいことではないので、共感してくれる面接官もいます。
しかし、
- 「採用しても人間関係で辞めてしまうのではないか」
- 「苦手な環境の中では、我慢して続けることができない人」
など企業にとって有益な人材ではないと思われて不採用になる可能性もあります。
人間関係の問題が大学だけでのことだったり、人間関係の問題を克服できた場合は、そのことを説明することで、企業に「就職後も人間関係で悩むのでは」という懸念を持たせないようにすることができます。
しかし面接官を納得させられる大学中退理由を説明できないと感じるなら、本当に大学中退理由は人間関係だけだったか再度振り返ってみてください。
例えば一番の理由は人間関係であったとしても、奨学金の返済も不安要素だったなど、大学中退理由は一つでないことが多いです。
他にも思い当たる大学中退理由がある場合は、人間関係以外の大学中退理由を伝えることもおすすめです。
3-8. 転学するために大学中退をした人の回答例文
「大学在学中に祖母が入院し、近くで看護師の仕事を見たことで、私も看護師になって病気の人のサポートがしたいと思い、看護専門学校へ転学しました。専門学校は大学より大変でしたが、絶対に看護師になると覚悟を決めて転学したので後悔することはありませんでした。自分が学びたい看護の分野を学べて毎日充実していました」
<解説>
大学中退後、専門学校や別の大学へ転学した人に悪い印象を持つ面接官は少ないです。
しかし「大学の授業がつまらなかった」「人間関係に悩んでいた」などと言ってしまうと「学びたいからではなく大学から逃げたかったから転学したのかな」とマイナスな印象を持たれかねません。
転学先の分野を学びたくなったきっかけなど、前向きな中退理由を話せるようにしておきましょう。
3-9. 海外に留学するために大学中退した人の回答例文
「大学在学中、日本語教師アシスタントプログラムでオーストラリアに留学し、仕事への考え方や文化の違いなどを知り、英語で交流する楽しさを知りました。そのような経験から、両親には反対されましたが、本格的に語学を学ぶため大学を退学してアメリカに留学することを決めました。理想は大学に籍を残して留学することでしたが、奨学金を借りていたので、学費と留学費両方の返済を考えると負担が大きいため退学しました。大学中退したことを後悔しないために必死で勉強し、現地で小学校英語指導者資格(J-SHINE)を取得し、TOEICスコアも800点を超えることができました。ネイティブで学んだ経験を活かし、御校で子供たちに英語の楽しさを伝えていきたいと考えています」
<解説>
海外留学は前向きな大学中退理由なので、基本的に悪い印象は持たれません。
しかし海外留学は現地での勉強への姿勢によって資格取得などに大きく違いが出てきます。
海外留学経験だけでは「日本の大学を中退して海外で楽しんでいただけなのかな」と思われる可能性があります。
- 「目標を持って留学し、○○の資格を取得した」
- 「海外の大学を卒業できた」
など具体的に示せる何かがあることが重要です。
ただし、
- 「在学したまま留学しようとは思わなかったの?」
など深く追求される場合もあります。
追及された場合は、
- 「海外の大学に入学したいと思ったから」
- 「どうしても現地で英語を学びたいと思ったが、学費と留学費の両方を支払うことが厳しかったから」
など前向きな理由もしくはやむを得ない事情であったことを伝えましょう。
ここで「大学の授業についていけなかったから」などネガティブな理由を伝えると「苦手なことから逃げたくて海外留学した」と思われて、印象が悪くなることがあるので注意しましょう。
3-10. 公務員になるために大学中退した人の回答例文
「親に進学を進められるまま大学に入学しましたが、やはり公務員になりたいという気持ちが捨てられず、大学を中退しました。親には申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、公務員になるために予備校に通いながら1年間集中して勉強し、地方公務員の筆記試験に合格することができました。その結果が出てからは、親も大学中退を納得してくれました。入職後は、市民の立場になって何事にも自分からチャレンジしていきたいと考えています」
<解説>
上の例文では公務員になるという目標に向かって努力し、着実に目標を達成しています。
この場合、中退理由が前向きで、中退後も努力したことが伝わるので基本的に悪い印象は持たれません。
ただし公務員試験は在学中にも受験できるので、
- 「在学中に公務員の勉強をしようとは思わなかったの?」
などと追及されることもあります。
追及されたときの答え方としては、
- 「公務員になりたいという思いが強かったので、このまま何となく大学に通うより金銭的にも時間的にも無駄がないと感じたからです」
というように前向きな理由を答えましょう。
「大学に面白さを感じていなかった」「大学の友人と上手く行っていなかった」など後ろ向きな理由を話すと「大学から離れたいから公務員を目指したのでは?」と思われる可能性があるので注意しましょう。
3-11. 夢を叶えるために大学中退をした人の回答例文
「昔からお笑いが好きで、自分も芸人になりたいという夢が大きくなり大学を中退しました。中退後は2年間お笑いを学ぶための学校に通い、一生懸命ネタを考え、ステージにもたくさん立ちましたが売れる気配は無く、自分の実力の無さに気付きました。しかし、2年間やりきったからこそ、今は悔いなく夢を諦めることができました。芸人をしているとき、自分で営業して仕事を取りに行くことがよくあり、自分の伝え方一つで結果が変わることにやりがいを感じたため、営業職を志望しています」
<解説>
夢を叶えるためという前向きな大学中退理由で、悪い印象を持つ面接官は少ないです。
しかし大学中退理由の伝え方によっては、
- 採用しても「やっぱり夢を追いかけたい」と言ってすぐに仕事を辞めてしまうのではないか
- 夢を叶えるためと言いつつ適当な気持ちで大学を中退したのではないか
など面接官に不安が残ってしまい、大学中退理由が原因で採用を見送られることになりかねません。
面接官を納得させるために大切なポイントは、
- 夢は完全に諦められた
- 本気で夢を叶えるために取り組んだ具体的な行動がある
この2点を大学中退理由にいれることです。
3-12. 祖母の介護のために大学中退した人の回答例文
「祖母が、怪我で寝たきりになってしまい、要介護になりました。小さい頃から両親は共働きだったため、祖母が母親代わりだったこともあり、そんな祖母を助けたいと思い、大学を退学する決意をしました。祖母の介護をしていく中で、これからの高齢化社会で介護の技術を持った人の必要性を認識し、介護福祉士を目指したいと思いました。御社では、さらに介護についての知識・経験を積み、みなさんをサポートしていきたいと考えています」
<解説>
親族の介護が理由の場合は、やむを得ない事情なので、包み隠さず話しても印象が悪くなることはありません。
「これまでの学生生活や介護をしていく中で、この仕事に関心を持ち御社を志望した」というように、前向きに働く意欲があることを伝えましょう。
家庭の事情なので、これ以上聞いてこないことがほとんどだと思いますが、面接官によっては、
- 「介護施設を頼ろうとは思わなかったの?」
- 「大学に通いながら介護することはできなかったの?」
と更に質問される場合があります。
追及されたときの答え方としては、
- 「介護施設にお願いできる経済的な余裕が無かった」
- 「祖母は朝から晩まで介護が必要だったので、学校に通う時間はなかった」
など大学を中退せざるを得なかった理由を正直に伝えましょう。
このとき「大切な祖母を介護施設にお願いするなんて考えられなかった」など個人的な考えでは、大学中退理由の説得力が落ちるので避けましょう。
いかにやむを得ない事情であったかを、面接官に理解してもらえるかがポイントです。
3-13. 大学中退予定の人の回答例文
「○○の分野に興味があり大学に入学したのですが、授業内容が広く浅く○○について学ぶことが多く興味を持ち続けることが難しく感じました。事前に授業内容をよく調べなかった私の責任なのですが、奨学金を借りて金銭的な負担が大きかったこともあり、4年間我慢して大学に通うよりも、退学をして早く△△職として働き、実践的なスキルを身につけたほうがよいと思い就職活動をはじめました。ただ、親からは、大学を辞めるなら就職先を決めてからにしなさいと言われ、私もそのほうがよいと思いましたので、退学届を出す前に就職活動をしています。調査不足で大学中退することになったので、仕事については事前にしっかり調べ、御社の業務内容や研修内容に魅力を感じ応募させていただきました。もし御社から内定をいただけましたら、すぐに大学に退学届を提出して、御社に入社したいと考えております」
<解説>
大学中退予定の人が企業に応募した場合、企業がもっとも懸念するのは、
- 「内定を出しても中退をしない(入社しない)のではないか?」
ということです。
中退をすることは心理的な負担が大きいので、実際に中退をするタイミングでやはり大学に通い続けようと判断する人もいるからです。
しかし企業は、内定を出した後に入社しない人が出ると、再度採用活動を行う費用負担が発生したり、必要とする人員を確保できなかった場合は、そのまま少ない人数で仕事を行わなければならなかったりするので、そのようなリスクのある人を採用することに躊躇します。
大学中退予定で就職活動を行う場合は、
- 中退しなければならない説得力のある理由がある
- 就職が決まったら中退を必ずすると伝える
ことが重要になります。
また大学中退予定の人も「大学中退をする理由」が重視されます。
大学中退理由の説明の仕方については、上にある他の例文で詳しく解説しているので、自分の中退理由と同じ例文を参考にしてみてください。
4. 大学中退者は就職エージェントで面接対策をしてもらおう
大学中退者が就職活動をする場合は、大学中退者の就職に強い就職エージェントを利用してみましょう。
大学中退者に強い就職エージェントでは、自分の大学中退理由に合った面接での回答方法を、キャリアアドバイザーにアドバイスをもらいながら考えられたり、模擬面接を受けたりできます。
対応するキャリアアドバイザーは、大学中退者やフリーターなどの若者を専門としているので、実践的なアドバイスがもらえます。
大学中退者が採用されやすい求人も紹介してもらえるので、求人を見つけるのが難しい人にも役立ちます。
このように充実したサービスが受けられるため、一人で就職活動するよりも就職率が高くなり、利用者の就職率が80%を超える就職エージェントも多いです。
大学中退者に強い就職エージェントは、以下の記事で紹介しています。
今現在、紹介している就職エージェントの全てのサービスを、自宅でオンラインで受けることができるので、ぜひ活用してみてください。
大学中退者におすすめの就職サイト(就職エージェントと求人サイト)17選
5. 大学中退理由を面接で伝えた11名の方の体験談
大学中退後に就職した11名の方に、面接で大学中退理由を伝えた時の体験談を作成してもらいました。
面接官とのやり取りをそのまま書いてもらったので、実際にどのような形で中退理由を聞かれるのか、どのような点を深く追求されるのかがわかります。
以下の記事に掲載しているので、参考にしてみてください。
6. 大学中退を履歴書に書く方法
ここまで面接での大学中退理由の伝え方などについて説明してきましたが、書類選考がある企業も多いです。
そこでここからは、履歴書に大学中退をどのように記載するのか解説します。
6-1. 大学中退を履歴書に書かないと学歴詐称になる
大学中退を履歴書に書くと選考で不利になるのでは?という不安から「履歴書に大学中退を書かなくてもいいのかな?」と思う人は少なくありません。
確かに大学中退者の最終学歴は「高卒」ですので、大学中退を履歴書に書かなくても問題ないと思うかもしれません。
しかし履歴書に大学中退を書かないと、大学に通っていた期間が何もしていない期間となってしまい「高校を卒業してからだらだらしていた人」と余計に悪い印象を与えかねません。
むしろ大学に入学できるだけの学力を評価されて、高卒より有利になることもあるので必ず記載するようにしましょう。
また履歴書の学歴欄には、これまでの就学区分を全て書くことが基本とされているので、履歴書には大学中退を書かずに面接で初めて大学中退を伝えると「どうして書かなかったの?」と不信感を持たれます。
また大学中退者の中には大学中退を大学卒業と偽ったり、大学には行ってないことにしたりしようと考える人もいますが、事実を偽ると学歴詐称となるので絶対にやめましょう。
大学中退者の最終学歴については以下の記事で詳しく解説しているので、こちらも参考にしてください。
大学中退者の最終学歴は高卒?履歴書に大学中退は書かなくてもよい?
6-2. 履歴書への大学中退の記載例
大学中退について履歴書に書く場合は以下のように記載します。
学歴は中学校卒業から記入するのが一般的で、中退については「中途退学」と記載します。
ただし義務教育期間である、小学校と中学校の学歴については評価につながりにくいので記入しなくてもよいです。
就職が決まったら中退をする場合は、以下のように「中途退学予定」あるいは「就職が決まれば中途退学予定」と記載しておくとよいでしょう。
中退する日が決まっていればその日付を書き、決まっていなければ日付は記入しなくてよいです。
6-3. 大学中退理由の書き方
履歴書の学歴欄には、学歴だけでなく中退理由を書いておくと応募者の人物像が把握しやすくなり、採用選考で有利に働きます。
しかしどんな中退理由であっても書いた方が良いという訳ではなく、中退理由によって書く・書かないを判断することが大切です。
中退理由によって応募者の印象が良い方にも悪い方にも変わるからです。
【書いた方が良い理由】
「病気」「経済的な理由」「介護」など、やむを得ない事情や、「留学」「就職」「進路変更」などの前向きな理由で中退した場合は書いた方が良いです。
大学中退者は「途中で投げ出す人」という印象を持たれることが多いですが、このような理由を書いておくことでマイナスイメージをカバーできます。
<病気で中退した場合の記入例>
病気が理由で中退した場合は、中退理由だけでなく現在は完治していることや仕事に支障がないことも書いておくとよいでしょう。
病気で中退した場合の、その他の中退理由の書き方
- (病気療養のため。現在は完治しており勤務に支障ありません)
- (○○(病名)の治療のため)
<介護のために中退した場合の記入例>
介護が理由で中退した場合も同様に、現在も介護が必要なのか、施設などに頼むことができて介護が不要になったのかなど、現状を伝える一文があると企業側も働いている姿を想像しやすいです。
介護のために中退した場合の、その他の中退理由の書き方
- (祖父の介護のため。現在は施設に入所したため家庭での介護は不要)
- (親の介護のため。現在は親の病気が完治しており、勤務に支障はありません)
<経済的な事情で中退した場合の記入例>
経済的な事情で中退した場合の、その他の中退理由の書き方
- (家庭の収入事情により)
- (経済的な事情により)
<留学のために中退した場合の記入例>
留学するために中退した場合、留学先の国名・学校名・期間・取得した資格なども明記しておくと、留学先でどのように頑張ったのかが伝わりやすく、アピールになります。
また海外の大学に在籍し、現地の学生と同様に卒業を目指す正規留学をしていた人は、以下のように記載すると印象がよいです。
<就職するために中退した場合の記入例>
就職するために中退した場合の、その他の中退理由の書き方
- (社会人として就業したいと考えたため)
- (社会に出て早く自立するために就職したいと考えたため)
<専門学校や別の大学に進路変更するために中退した場合の記入例>
進路変更が理由で大学中退をして、専門学校へ入学したり、別の大学に転学した場合も、学歴欄に退学理由を記載しておくとよいでしょう。
中途退学の下に専門学校へ入学などの記載があると、中退理由を書かなくても「進路変更で中退したのかな」と思ってもらえることが多いですが、書いておく方が分かりやすいです。
また大学中退から専門学校などに入学するまでに期間が空いている場合「何か問題があって大学を中退して、その後で別の学校を探したのかな」のような、退学理由をマイナスイメージでとらえられることもあります。
進路変更という前向きな理由を記載しておけば、このようなマイナスイメージを持たれずにすみます。
進路変更するために中退した場合の、その他の中退理由の書き方
- (研究したい分野が定まり、○○大学へ転学するため)
【書かない方が良い理由】
書類選考の通過者だけが面接を受けられる企業の場合、採用担当者は書類だけでどんな人物かを想像しなければいけません。
- 授業についていけなかった
- 大学に魅力を感じなかった
- 人間関係に悩んだ
といった中退理由を書いてしまうと「忍耐力が乏しく、仕事も続かないのではないか」と思われて、面接に進むことさえ難しくなります。
自分の印象が悪くなる内容を自ら書く必要はありません。
大学中退理由がネガティブな場合は、明確な中退理由を示さずに「中途退学」とだけ記載しておくことが多いですが、以下のように前向きな言い回しに変えて記載することもできます。
本来は「大学がつまらなかったから」「学業よりアルバイトに熱中してしまい留年したから」という中退理由だったとしても、このように志望動機を交えて前向きに伝えるとよい印象を持ってもらいやすいです。
中退理由は履歴書に記入してもしなくても、必ず面接で大学中退理由について質問をされるので、前向きな中退理由を話せるように準備しておきましょう。
大学中退者の履歴書の書き方は、以下の記事で見本を使って詳しく解説しているので、参考にしてください。
【見本付き】大学中退者の履歴書の書き方!中退理由・志望動機・自己PR例文多数
7. 大学中退理由ランキング(2022年度 文部科学省調査)
文部科学省が2022年4月から2023年3月の大学中退者を対象に、大学中退理由について調査を行っています。
その結果が以下のグラフですので、見てみましょう。
出典:文部科学省「令和4年度 学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査結果」2023年6月
- 1位:転学など 17.8%
- 2位:学生生活不適応、修学意欲低下 16.8%
- 3位:就職・起業等 14.2%
- 4位:経済的困窮 13.1%
- 5位:学力不振 8.0%
- 6位:心神耗弱・疾患 6.1%
- 7位:病気・怪我・死亡 3.8%
- 8位:海外留学 0.7%
- 9位:その他 17.8%
- 10位:不明 1.7%
2022年度の大学中退理由で最も多い転学等には「思っていた勉強ができない」「イメージしていた学生生活が送れない」といった大学とのミスマッチを理由に、別の大学への編入や、専門学校への転学をする人が主にあげられます。
2位の学生生活不適応、修学意欲低下も、大学とのミスマッチが多いですが、学費や生活費を払うためにアルバイトに時間を取られた結果、学業との両立が困難で中退した人など、直接的な原因は修学意欲低下であっても、根底に経済的な要因が絡んでいることも多いです。
3位の就職・起業等には「大学に通うより早く働きたい」「起業して成功したい」といった前向きな理由が多いです。
4位の経済的困窮では、バブル崩壊後から徐々に親の平均年収が減っていることから、奨学金を利用する学生が増える傾向にあり、将来の返済を心配して中退をする人が増えてきています。
ちなみに、ここ数年の大学中退者数と中退率は以下のように推移しています。
- 2021年度の大学中退者は48,694人(学生数に占める中退者の割合は1.79%)
- 2022年度の大学中退者は52,459人(学生数に占める中退者の割合は1.94%)
2020年度からコロナの影響で大学中退者数が減少していましたが、2022年度になるとコロナ前の学習環境に戻りつつあったため、中退者数も元の水準に戻りはじめました。
8. 大学中退理由ランキング(2014年 ハローワーク調査)
上記した文部科学省の中退理由の調査対象者には、高等専門学校などを中退した人も含まれていました。
そこで2014年8月~11月にハローワークを訪れた、4年制大学(医療関係は6年制もあり)中退者のみを対象とした、大学中退理由の調査結果が以下ですので、こちらも見てみましょう。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」平成27年5月27日
- 1位:学業不振・無関心 42.9%
- 2位:家庭・経済的理由 19.3%
- 3位:進路変更 15.1%
- 4位:病気・ケガ・休養 10.9%
- 5位:人間関係・大学生活不適応 10.0%
- 特に何もない・不明 1.8%
文部科学省の調査とは項目が少し違うので単純に比較できませんが、こちらの調査では、「学業不振・無関心」が他の理由に比べて圧倒的に多い大学中退理由になっています。
また2位は「家庭・経済的な理由」、3位は「進路変更」となっており、2014年時点で4年制大学(医療系は6年制もあり)中退者のみを対象とた調査でも、別の学校に転学したり、就職するなどの進路変更や、学費を支払うのが難しいという理由で退学する人が多いことがわかります。
9. 大学中退者個別の大学中退理由一覧
ここまで大学中退者の中退理由を大きく分類して、ランキング形式で紹介しました。
これ以降では大学中退者それぞれの、具体的な中退理由について見ていきましょう。
大学とのミスマッチ
- 大学在学中に他の事に興味がわき退学後、専門学校に入学
- 第一志望の大学に落ちてしまい、第二志望の大学に入学したが、あきらめきれなかったので退学して再受験を目指している
- 奨学金をもらいながら大学に通っていたが、大学の内容が思っていた内容と違いお金がもったいなく感じた
大学に行く意味を見いだせなかった
- 一人暮らしをして好きなことをしていたら、大学に行く意味が分からなくなった
- 高校までと違い自由が多すぎて、何をしたらいいのか分からなくなった
- 友人が辞めたので、同じように辞めてしまった
- 学校いくより働くほうがいいやと思った
- アルバイトを在学中にはじめて、いつのまにかアルバイトばかりの生活になってしまい大学を辞めてしまった
学業不振
- はじめは授業が楽しく勉強に励んでいたが、徐々に内容が難しくなりついていけなくなった
- 単位が不足して、進級できなかったので退学した
- サークルに熱中しすぎて、授業に全く出なくなってしまい、単位を落として留年することになったので退学した
経済的な理由
- 父親の勤めていた会社が倒産をして、家が経済的に厳しくなったので退学して就職をした
- 親が離婚をして、母子家庭になり家計が厳しくなったので退学をした
人間関係
- 大学のサークルに入らなかったので友人ができず、一人で活動することが多くなって退学してしまった
- 狭い学部内で孤立してしまい授業に出ることが辛くなった
- 周りの大学生とテンションが合わなかった
10. 中退者の多い大学ランキング
全大学の中で中退者の多い大学をランキングにすると以下のようになります。(%は中退率を表します)
- 1位: 日本映画大学 33.1%
- 2位:第一薬科大学 28.8%
- 3位:苫小牧駒沢大学 27.7%
- 4位:羽衣国際大学 27.2%
- 5位:愛知文教大学 27.1%
- 6位:修文大学 27.0%
- 7位:神戸国際大学 26.5%
- 8位:四條畷学園大学 25.8%
- 9位:大手前大学 25.4%
- 10位:東京神学大学 25.0%
- 10位:三洋小野田市立山口東京理科大学 25.0%
出典:「大学の実力2019」中央公論新社
主要大学の中退率や大学全体での平均大学中退率などに興味がある人は、以下の記事で詳しく解説しているので、チェックしてみてください。
11. まとめ
面接官は大学中退者に対して、どうしても「仕事を途中で投げ出すのではないか」と不安に思ってしまいます。
逆に面接官に「採用したら一生懸命頑張ってくれそうだ」と思ってもらえる大学中退理由を説明できれば、大学中退はマイナスポイントにはなりません。
どのような中退理由でも仕事に対して前向きであることが大切ですが、面接官に納得してもらうためには、自分の中で大学中退を前向きに捉えていなければいけません。
「あの時もう少し頑張って勉強していたら...」
「大学を選ぶときにもっとよく考えていたら...」
といった後悔の感情のまま面接に臨んでも、自信の無さが面接官に伝わってしまいます。
「あの時もっと頑張っていたらよかったという後悔もあるけど、大学中退を経験したことで自分の考えを改めることができた」
「もっと将来について考えた上で大学を選べばよかったけど、大学に進学したからこそやりたいことが明確になった」
など大学中退を自分の中で消化し、自分に自信を持つことが就職への第一歩です。
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岸 憲太郎
・株式会社ウェイズファクトリー代表取締役
・関西大学総合情報学部卒業
人材紹介事業と就職や転職に関してのWEBメディア事業を行う(株)ウェイズファクトリーの代表をしています。
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