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大学中退理由を面接で伝えた11名の方の体験談
大学中退後に就職活動を行い、大学中退理由を面接で伝えた11名の方に体験談を作成してもらいました。
面接官とのやりとりを具体的に書いてもらったので、これから面接を受ける大学中退者に役立つはずです。
体験談は、以下の7つの質問に答えてもらう形で作成してもらいました。
- ハンドルネーム
- 何年生で中退をしましたか?
- 大学中退した理由は何ですか?
- 就職した職種は何ですか?
- 中退理由は事実を伝えましたか?それとも事実とは、違う中退理由を伝えましたか?
- 「質問5で事実とは違う中退理由を伝えた方」は、なぜ、事実とは違う理由を伝えたのですか?
- 内定をもらった企業での面接で、中退理由について質問された際の受け答えを教えてください。
①
- nico
- 2年生
- 人間関係に悩み鬱病になってしまった為
- 医療関係
- 違う理由を伝えました。
- 鬱病を患っていたという事実を自分でも受け入れられない状態だったので、家族以外に知られたくなかったからです。「鬱病」ということで精神的に弱い人間だと思われ、採用の合否に係るのではないかという思いもありました。
- 面接官
「なぜ大学は中退してしまったのですか?」
nicoさん
「大学で学んでいるうちに、自分の目標を見失ってしまったからです。」
面接官
「もったいないとは思わなかったのですか?」
nicoさん
「目標もないまま4年間を無駄にするほうがもったいないと思いました。」
面接官
「他になにか目標は見つかりましたか?」
nicoさん
「休学中に医療に携わる仕事に興味が湧き、自分も患者に寄り添えるスタッフの一員になりたいという目標ができました。」
②
- さわだ
- 4年生
- 論文を書くよりも起業をしたい気持ちが強くなった。
- WEBサービス業界
- 事実を伝えました。
- 事実を伝えました。
- 面接官
「どうして4年生で中退されたのですか?」
さわださん
「当時は待機児童問題が世間で取り上げられており、保育施設を立ち上げることを友人と考えていました。そのため、卒業論文を書く時間を費やすよりも、退学してしまって起業することを、そのときは優先させました。」
面接官
「しかし起業してませんよね?」
さわださん
「はい。起業していません。保育施設の開業資金や、開業後の運転資金をシミュレーションしたのですが、50人収容できる保育施設で必要資金が最低でも5000万円と算出されました。そこで、友人と相談し「仮に保育施設運営が成功しなかった場合は、自分達は借金漬けとなってしまう」と悲観的な話になり、起業する話はなくなってしまいました。」
面接官
「そういったシミュレーションは在学中にやっておくべきだったのではないですか?」
さわださん
「そう思います。しかし、当時はまっしぐらにビジネスを開業することだけを考えていたんです。猪突猛進すぎたと反省しています。」
面接官
「大学を中退したことを後悔していますか?」
さわださん
「卒業しなかったため、就職面で不利になったという意味では後悔しています。しかし、ビジネスを立ち上げることについては、完全に諦めたわけではありません。むしろ、ビジネスを立ち上げるチャンスをいただける会社だと思って、御社に応募させていただきました。」
面接官
「うちの会社でビジネスを立ち上げたいですか?」
さわださん
「はい。機会を与えていただきたいと思っています。受け身の姿勢で生きていくつもりは全くありません。」
面接官
「なるほどね。」
③
- カズ
- 2年生
- 学校に馴染めなかった。
- 物流業
- 包み隠さず、ありのまま伝えました。
- 隠しても現実が変わる訳ではないし、もし、大学を中退した理由について、嘘をついてもどうせ後々、バレると思って、正直に話ました。万が一、嘘をついて面接に通っても、うわっつらだけの口先文句なんて、所詮、その人の言動で見透かされて、後々、いづらくなって辞めてしまうのが関の山だと思い、虚偽の報告はしませんでした。
- 面接官
「どうして中退されたのですか?」
カズさん
「学校に馴染めませんでした。」
面接官
「あ、そ〜ですか!合う、合わないは人間だれしもありますからね!辞めた後は何かなされていたのですか?」
カズさん
「親は特に大学を辞めたことに対してあまり言ってきませんが、やっぱり申し訳ないなくて・・これ以上、両親には負担はかけたくなかったので、御社の物流センターでアルバイトをしていました。」
面接官
「そうですか!どちらの営業所ですか?」
カズさん
「○○配送センターです。そこでお世話になった○○さんから、「今、正社員の募集をしているから受けてみれば!」と勧められて、面接に応募しました。」
面接官
「○○さんですか!私も以前、同じ部署で働いていたことがあって・・ まあ、これも何かの縁ですね!頑張ってください!」
カズさん
「ありがとうございます!」
大学中退者は就職エージェントを利用しよう
就職エージェントでは、担当のアドバイザーから、個別の事情に合わせて、大学中退理由の伝え方や大学中退者の履歴書の書き方などのアドバイスをもらえます。
また、書類選考なしの求人や大学中退者を積極採用している企業の求人も紹介してもらえるので、活用してみるとよいでしょう。
無料で利用できる大学中退者におすすめの就職エージェントは、以下の記事で紹介しています。
④
- まめ
- 1年生
- 集団で授業を受けることに窮屈さを感じてしまった。
- 事務職
- 事実を伝えました。
- 事実を伝えました。
- 面接官
「どうして中退されたのですか?」
まめさん
「高校生のころから女性同士の派閥がつくられることに嫌悪感を抱いていました。大学に進学してからもその独特な女性同士の空気感についていくことができず、同じ教室で同じ授業を受けることに対して息が詰まってしまうようになり、退学を決めました。」
面接官
「なるほど。人間関係というのはとても難しいことだと思いますが、今でもそのトラウマはありますか?」
まめさん
「少し集団から離れ、社会というもっと人間関係がラフで自由な環境に移ってからはそのトラウマはなくなりました。今はもう大丈夫です。」
面接官
「ありがとうございます。」
⑤
- K.H
- 2年生
- 大学で学ぼうと思っていたことに興味を失ったから。
- 一般企業の営業職
- 事実と違う内容を伝えました。
- 受けた企業の面接における免責事項には、虚偽の内容が発覚した場合は失格となるような記載がありましたが、学ぶ内容のミスマッチが大きく、学歴などに詐称はない為、心象を損なわないために事実とは異なる内容を伝えました。
- 面接官
「どうして大学に進学したにも関わらず、中途退学されたのですか?」
K.Hさん
「大学で学ぼうと考えていた分野が、想像していたものと異なっていたからです。」
面接官
「今までに支払っていた学費が勿体なく感じられませんでしたか?」
K.Hさん
「支払った学費は戻ってこない為、勿体なかったとは思います。大学で学べる研究分野は、学問的に興味はありましたが、より社会で活用できる実践的なスキルを身につける為には、大学を卒業するより、早く社会に出て経験を積みたいと考えました。」
⑥
- ふう
- 一年生
- 人間関係がうまくいかなくてやりたい仕事を見つけたからです。
- 塗装です。
- 事実を伝えました。
- 事実とは違う理由を言っていません。言う必要がなかったのでそのままストレートに思っていることを伝えさせてもらいました。すんなり受け入れてくれました。
- 面接官
「どうして中退されたのですか?」
ふうさん
「やりたい仕事を見つけたからです。」
面接官
「卒業してからでもできなかったのですか?」
ふうさん
「その時は仕事のことしか考えていませんでした。」
面接官
「今思えば卒業しといたほうがいいと思いますか?」
ふうさん
「後悔はありません」
面接官
「わかりました」
⑦
- まさみ
- 1年生
- 友人ができなかったうえに、大学という場が想像と違ったから
- 営業職
- 自分の本音とは別の、もう1つの事実を伝えました。
- 1番の中退理由は、友人ができず、大学の講義やその他のサークル活動の場が想像していたものとは違い、つまらなく感じたからです。ですが2番目の理由として、学費を納めることが厳しくなってきたということもありました。親の事業が失敗し、経済的に苦しい状況になりつつあったからです。面接で1番目の中退理由を正直に話してしまうと、「何でも途中で簡単に投げ出してしまう人」「やる気のない人」と思われ、明らかに不利になってしまうと感じました。そこで、家庭の経済状況が苦しく、このまま自分が大学へ通学することが心苦しくなってきたと伝えたのです。中退はやむを得ない事情があってのことだった、と思われたい一心でした。
- 面接官
「せっかく受験を勝ち抜いて入学したのに、なぜ中退してしまったのですか?」
まさみさん
「学費を支払うのが苦しくなってきたので、中退することにしました。」
面接官
「立ち入ったことを質問するかもしれませんが、それは親御さんの経済的な理由ですか?」
まさみさん
「はい。親の事業が失敗し、経済的に苦しくなってきたので迷惑かけたくないと思い、中退を決意しました。」
面接官
「アルバイトなどはしていなかったのですか?」
まさみさん
「できるだけ学業に集中したいと思っていたので、アルバイトはしていなかったです。」
面接官
「親御さんからの学費援助に頼るだけではなく、自分でも少しアルバイトなどをして、なんとかしようとは思わなかったですか?」
まさみさん
「今となっては簡単に諦めずに、そういう努力も少しすればよかったかなと思います。」
面接官
「アルバイトをすることは収入的なことだけではなく、社会勉強にもなりますよね。せっかくだから、アルバイトなども経験してみるとよかったかもしれないですね。」
まさみさん
「確かにそう思います。」
面接官
「中退することはマイナス的なことだけではなく、自分の人生の選択肢の1つであり、重大な決意でもあったと思いますが、あなたはこの経験をどう思っていますか?」
まさみさん
「おっしゃる通り、簡単に大学通学を諦めてしまったことはもったいないことをしたような後悔する気持ちもあります。今後はこんな後悔をすることがないように、重大な決断をする時には、もう少し先のこともしっかり見据えてから慎重な判断をしたいと思います。」
面接官
「ちなみに、ご両親はあなたが中退することをなんとおっしゃっていましたか?」
まさみさん
「両親は学費が払えないことを「申し訳ない」とひたすら謝っていました。ですが、親のせいだと考えるのは少し違うと自分では思っていました。」
面接官
「そうですね。中退という決断をしたことが、今後の社会人生活においてプラスになるような人生を歩めるといいですよね。それが親御さんのためにもなると思います。」
まさみさん
「はい。ありがとうございます。」
⑧
- てんにゅん
- 大学2年生
- 大学の授業に疑問を持つようになりました。
- IT企業でシステムエンジニアとして就職
- 違う中退理由を伝えました。
- 真実を伝えることによって、すぐに会社を辞めてしまう人間としての印象を与える可能性があったので避けました。一度だけ真実の理由を伝えたことがあったのですがその時に残念な結果になってしまったので真実の理由は、絶対に伝えないようにしています。
- 面接官
「学歴を確認して大学を中退しているのですが何故中退されたのですか?」
てんにゅんさん
「大学での勉強を受けている時、経済学科に入学したのですが勉強内容に大きな疑問を持つようになりました。」
面接官
「何故勉強内容に疑問を持つようになったのですか?」
てんにゅんさん
「心理学や中国語など様々な勉強を行うことができたのですがどれも専門的な分野ではなく、日常生活でも必ず役立つのか不安を感じるようになりました。このまま勉強を続けても自分のためにあまりならないと思い、徐々に通学する頻度が減っていきました。ちょうどその時私が勉強したい分野として、パソコンを使用した勉強を行いたいと考えていたのでそれを実現するため、大学中退を選択しました。」
面接官
「大学中退した後は専門学校に入学したのですね?」
てんにゅんさん
「はい。専門学校に入学するためには相当額のお金が必要だったので、地道にアルバイトを行って無事入学することができました。」
面接官
「分かりました。ありがとうございました。」
⑨
- masato
- 大学2年生
- 留年を2回してしまったため。
- 建設会社営業職(施工管理)
- 正直に中退してしまった理由を伝えました。
- 事実とは違う中退理由は伝えておりません。質問5で書いたように正直に中退理由を伝えました。面接官のリアクションから落とされたと思いましたが結果的にはその企業に就職できました。
- 面接官
「履歴書に〜大学中退とありますが、どのような理由で中退されたのでしょうか。」
masatoさん
「お恥ずかしながら私の怠惰な性格により講義に出席することができず単位を落としてまい、2年留年した結果、中退することとなりました。」
面接官
「ご両親はそのことについて何か言われなかったのですか?中退せずになんとか卒業することはできませんでしたか?」
masatoさん
「両親には本当に申し訳ないことをしたと思っています。多額の学費を支払って貰っている以上しっかりと卒業して就職をすることが当然のことだと思います。 中退しないという選択肢も考えましたが、ダラダラと目的もなく大学生活を続けているよりも気持ちを新たに地に足をつけて就職してしまった方がより良いのではないかと思い、現在就職活動をしております。」
面接官
「大学に通い続けることができなかった人が社会でやっていけると思いますか?」
masatoさん
「 おっしゃる通りだと思います。御社で働き、社会人として一人前になることが今からできる親孝行だと思い、生まれ変わった気持ちで頑張っていきたいつもりです。」
面接官
「高卒後すぐに就職する人と比べると4年のブランクがありますが、それを補える能力があなたにはありますか?」
masatoさん
「 やる気だけは誰にも負けない気でいます。真っさらな気持ちで一生懸命働く意思は人一倍あります。浪費してしまった人生をやり直すつもりで本気で就職活動をしています。」
思い出しながら書いたので正確な文言は失念してしまいましたが、大学中退に関しての質問は以上のようなやりとりがあったように思います。正直に言って、面接官からの印象は最悪だったと思いますが現場に人手が足りなかったからかなんとかその企業に就職することができました。
⑩
- もるもる
- 2年生
- 学費が不足していたため
- 物流業
- 事実を伝えた
- 事実を答えないとボロが出ると考えた。 事実とまったく違う中退理由を述べるのは不誠実であると思うが、多少の脚色は許容されると思う。 事実とまったく違うことを言うと入社後何気ない会話から事実でないことが露呈してしまう。
- 面接官
「どうして中退されたのですか?」
もるもるさん
「学費と生活費を全額自己負担しており、支払いができなくなってしまったため。」
面接官
「奨学金は借りていなかったのですか?」
もるもるさん
「両親の所得が高く、借りることができなかった。」
⑪
- たこ
- 4年生
- 当時働き始めた接客サービスの仕事に魅力を感じた為です。
- ホテルサービス業
- 事実を伝えました。
- 事実を伝えています。事実を伝えた上で大学中退についてマイナスイメージを持たれないように回答致しました。 具体的には後悔していないことと、中退して魅力を感じた仕事を続けたことにより社会人としての常識やノルマ、利益について現実的に受け止め考えることができるようになったという風に説明しました。
- 面接官
「大学を中退された理由はありますか?」
たこさん
「はい。当時行っていたサービス業に魅力を感じまた早く社会に出たかったので辞める決断に至りました。」
面接官
「途中でリタイアするかことはよくありますか?」
たこさん
「リタイアということに関しては大学中退が初めてで、実際に在学中に働いていた場所では3年以上は続けて参りました。」
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岸 憲太郎
・株式会社ウェイズファクトリー代表取締役
・関西大学総合情報学部卒業
人材紹介事業と就職や転職に関してのWEBメディア事業を行う(株)ウェイズファクトリーの代表をしています。
15年以上の就職支援経験を通じて、数百名の採用担当者や求職者と情報交換をしてきました。
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