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大学を仕方なく中退したなら、通信大学や放送大学も考えよう

最終更新日:2023年2月6日

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大学中退者の中には、金銭的な事情で中退したり、人間関係に悩んだあげく中退した人もたくさんいます。

こういった理由で中退した人は、通信制の大学や放送大学も検討してみましょう。

通信制大学や放送大学は、通学が必要な大学に比べて費用が安かったり、自宅から通信で勉強することができるので人間関係に悩むことがなかったりと、上記の理由で退学した人にも続けやすい大学です。

これらの大学を卒業すれば、大学卒業資格である「学士」を取得することができるので、以下のことができるようになります。

  • 大卒資格が必要な求人への応募
  • 大卒資格を必要とする大学院の受験
  • 大卒資格が必要な国家資格の受験

ここでは、通信大学や放送大学がどういった大学なのか、通信制大学に取材をした内容も踏まえながら解説します。

※2017年2月に近畿大学通信教育部に取材を行い、通信大学がどういった大学なのか詳しく聞いてきました。

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1. 通信制大学の紹介

通信制の大学は、配布されるテキストを主に利用して勉強をする大学です。

様々な大学が、通信制で勉強ができる「通信教育部」を用意しているので、有名大学で学ぶなど、自分の好みで大学を選ぶことができます。

通信制大学利用者には、大学中退後に入学する人ばかりでなく、社会人や専業主婦をしている人などの利用者も多いです。

学費は、通学が必要な大学に比べると非常に安く、4年間で卒業する場合では60万~70万前後の費用ですむ場合が多いです。

通信制の大学でも、テキストを通した勉強以外に、スクーリングとよばれる、用意された会場で、講義を受けて、試験を受ける必要がある場合もあります。

しかし、こういったスクーリングに参加するのが難しい人もいることから、最近ではWEB上で講義のビデオを見て、試験もWEB上で完結する通信制の大学が増えてきています。

卒業をするには、4年生の大学で124単位を取得して卒業論文を提出する必要があります。

2. 近畿大学通信教育部に、通信制の大学がどういったものか取材をして聞いてきました

近畿大学通信教育部入り口

通信制大学についてさらに詳しく知るために、近畿大学通信教育部に、通信教育にはどういった魅力があるのか、また反対にデメリットがあるのか、などについて取材をして聞いてきました。

通信制大学にはどういった魅力があるのでしょうか?

時間・場所を選ばずに勉強ができることです。

また、通常の大学に比べて費用が非常に安いことも魅力だと思います。

逆にデメリットってありますか?

通信制大学のデメリットは、やはりきめ細かいサポートができないことです。

質問する場合は、学習質疑票という用紙を郵送して質問するのですが、先生がいつでも対応できるというわけではないので、返事までに時間がかかる場合もあります。

基本はテキストによる自学・自習になるので、勉強を継続するにはモチベーションを高く保つ必要があります。

近畿大学通信教育部では、通信制から通学過程への転部・転学部(試験あり)も可能なので、通信制では勉強するのが難しいと感じた場合は、通学過程に途中から変更することもできます。

利用者の住んでいる場所は?

全国各地様々な都道府県で利用者がいます。

関西の人が多いですが、関東や九州、北海道の利用者もたくさんいます。

近畿大学通信教育部の各都道府県の利用者数。近畿2753人、関東1120人、九州・沖縄912人、東海521人、中国353人、北海道・東北281人、北信越272人、四国195人、海外13人。

男女比はどうなっていますか?

近畿大学通信教育部全体での男女比は、男性:女性=1:2位の割合ですね。

女性の方が倍ほど多いです。

法学部などの正科生以外に、科目等履修生という図書館司書の資格の取得を目指して入学される方がたくさんいるからです。

大学または短大を卒業しているという基礎資格をもった上で、必要な単位を習得すれば資格を取得することができるので、主婦の方が、子育てが落ち着いて仕事をはじめる際に利用されている方もいます。

正科生で4年生の法学部に限ると、男性がかなり多いです。

近畿大学の通信教育部に入学する理由にはどういったものがありますか?

資格取得を目的とした科目等履修生では、やはり資格取得を目的として入学される方が多いです。

法学部などの正科生が、通信教育部で学ぶ理由は2015年のデータでは以下のようになっています。

大短卒資格取得528人(約71%)、職業上の資格取得84人(約11%)、近畿大学で学びたい41人(約6%)、職業上の知識取得32人(約4%)、生涯学習27人(約4%)、教養のため25人(約3%)、その他10人(約1%)

通信制大学に入るにはテストがありますか?

入りたいと思った人は、インターネットを使って出願し、必要書類を送ります。

出願資格を満たしていれば入学可能です。

大学中退者が編入をする場合はどうすればよいですか?

2年生からと、3年生からに分かれています。

2年生から編入する場合は、前の大学に1年以上在学して、30単位取っている必要があります。

3年生から編入する場合は、2年以上在学していて、60単位以上取っている必要があります。

前の大学の学部は特に問いません。

通っている人の年齢は?

バラバラですね。

年齢が高くなった人が、若い人と通学するのに抵抗があるということで、通信教育を選ぶ人もいます。

2015年12月31日現在の年齢別(正科生)の人数は以下のようになっています。

18~22歳は627人(23%)、23~29歳は518人(19%)、40~49歳は505人(18%)、30~39歳は467人(17%)、50~59歳は450人(16%)、60歳~は188人(7%)

近畿大学通信教育部の費用は?

1年入学で、トータルで64万円位。

2年入学で、51万円位。

3年入学で、40万円位です。

卒業率はどれ位あるのですか?

通信大学の卒業率は低い傾向にあるようですが、近畿大学通信部の卒業率は半分弱はあり、卒業率としては高い方だと思います。

通信制大学を卒業するメリットにはどういったことがありますか?

通信制であっても、卒業をすれば大卒資格である「学士」がもらえるので、就職活動などでも大卒資格を活かすことができます。

また、卒業証明書には「通信制」という表記はありません。

国の認定として、通学の大学と通信制の大学の卒業に関して、両者の差は全くないからです。

ですので、例えば通信制で法学部法律学科を卒業した場合であっても、通学で法学部法律学科を卒業した人と同じ卒業証明書になります。

大学の施設は利用可能ですか?

通学で学んでいる生徒と同じように、ほとんどの施設が利用可能です。

数多くの蔵書が揃った大学図書館も、利用可能です。

近畿大学通信教育部に取材をした筆者の感想

大学中退後に通信制大学に通う場合、もっとも重要なのは、勉強を継続できるかといった点になりそうです。

自学・自習が基本となるので、継続するだけの根気があるのかが問われてきます。

しかし、卒業することができれば、大卒資格がもらえますし、卒業証明書にも通信制であることはまったく表記されないので、就職活動で有利になるのは間違いないといえるでしょう。

一度通信制の大学に通うことを検討してみてはいかがでしょうか。

3. 放送大学の紹介

放送大学はテレビやラジオを通して勉強をして、所定の単位(124単位)を取得することにより学士の学位を得ることができる正規の大学のことです。

今現在(2013年)においては、入学料が24000円で卒業に必要な124単位を取得するためにかかる費用が70万6000円となっています。

通常の私立大学ですと、1年間の費用だけでも100万円を超えるのですから費用としてはかなり安く済ませることができます。

また、かならずしも4年で卒業しなければならないという訳では無いので、最長10年まで自分のペースで学習することができます。

そういった事から、働きながら放送大学を卒業する人もいます。

また、大学中退者の場合は、編入として2年次や3年次から授業を受けることもできます。

金銭的な事情や人間関係が理由で中退した人も、放送大学であれば続けられる人もいるのではないでしょうか。

さらに詳しく知りたい人は、放送大学に問い合わせて聞いてみましょう。

4. 通信大学や放送大学以外の、大学中退後の進路

まだ勉強がしたい大学中退者は、通信大学や放送大学以外に、専門学校も検討してみてはいかがでしょうか。

専門学校では、実践的な授業が行われているので、仕事で活かすことができる技術や知識を身に付けることができます。

専門学校については、以下のページで詳しく解説しているので見てください。

college.jpgのサムネイル画像大学中退後に専門学校に入学するメリット・デメリット。費用や選び方も解説

大学中退後には、勉強を継続する以外に、就職するなど様々な選択肢があります。

大学中退後の選択肢を全て知りたい人は以下のページをチェックしてみて下さい。

choices.jpg大学中退のメリット・デメリットとその後の進路12選を解説

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記事の監修者

岸 憲太郎

・株式会社ウェイズファクトリー代表取締役
・関西大学総合情報学部卒業

人材紹介事業と就職や転職に関してのWEBメディア事業を行う(株)ウェイズファクトリーの代表をしています。
15年以上の就職支援経験を通じて、数百名の採用担当者や求職者と情報交換をしてきました。
それらの経験を社会に還元していくために、記事の監修だけでなく、編集にも深く関与して情報発信を行っています。
詳しいプロフィールは、こちらをチェックしてみてください。
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