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大学中退理由で最も多いのは経済的理由!?

最終更新日:2017年10月6日

大学中退理由で最も多いのは経済的理由!?のアイキャッチ画像以前「文部科学省が大学中退問題の調査に乗り出すようです。」でも紹介したように国が大学中退者について調査をするという事が予告されていました。

そして、9月25日に文部科学省から大学中退者についての調査結果が公表されました。

学生の中途退学や休学等の状況について(文部科学省の大学中退調査結果)

調査によれば、大学中退理由の中で最も多いのが経済的理由であるとの事です。

5年前の平成19年に行われた調査では経済的理由は第3位に留まっていたのですが、今年行われた調査で一気に躍進し最も多い中退理由になりました。

調査結果についてさらに詳しく見ていきましょう。

平成24年度の中退者数は79,311人(2.6%)

平成24年の1年間に大学などを中退した人は79,311人(2.6%)になりました。

2.6%という事は100人に2.6人の人が中退しているという事ですが、この結果を見て以外と少ないなぁと感じられた人もいるかもしれません。

大学に通っていた頃の実際感覚としては、もっとたくさんの人が中退していると思った人もいるのではないでしょうか。

というのも、今回の調査結果はあくまで1年間の中退率だからです。

大学4年間で見てみると約10%近くの人が中退をしているというデータもあるので、こちらの方が実際感覚と合います。

入学してから卒業するまでには約1割の人が何らかの理由で中退しているのですが、1年間で見ると2.6%の人が中退しているという状況にあります。

平成24年度大学中退理由ランキング

調査結果によると平成24年度の大学中退理由ランキングは以下のようになっています。

  • 1位 経済的理由    20.4%
  • 2位 転学       15.4%
  • 3位 学業不振     14.5%
  • 4位 就職       13.4%
  • 5位 病気・怪我・死亡 5.8%
  • 6位 学校生活不適応  4.4%
  • 7位 海外留学     0.7%
  • 8位 その他      25.3%

ちなみに、2009年の大学中退理由ランキングは以下のようになっています。

  • 1位 転学       14.9%
  • 2位 就職       14.4%
  • 3位 経済的理由    14.0%
  • 4位 学業不振     12.7%
  • 5位 病気・怪我・死亡 6.1%
  • 6位 学校生活不適応  5.1%
  • 7位 海外留学     0.9%
  • 8位 その他      31.5%

やはり経済的理由が、5年間で急増したということが分かります。

これらの調査結果を受けて国は奨学金や授業料の減免の拡充を行っていくようです。

調査結果に対して各メディアでは、リーマンショックの影響が残っている、親の経済格差が広がっているなどと報じられていました。

一つ気になったのが中退理由の1位に経済的理由が上がっているのに、同時に調査された授業料の滞納者の割合は増えていないことです。

通常であれば、これだけ経済的理由によって中途退学する人が増えているのであれば、滞納者も増えてもよさそうなものです。

日本人は律儀だから、滞納する事などせずきっちり退学届けを提出して中退しているということなのでしょうか?

この理由に関しては詳しく調べてみないと分からないのですが、滞納していると授業料請求の督促状がきたり、下手をすると除籍や抹籍を言い渡される事があるという理由が影響しているのかもしれません。

滞納をして一番やっかいなのが抹籍で、この扱いになると大学に在籍していた事実自体が消えてしまうので、それまでに取得した単位も全て失い、学歴も高卒になってしまいます。

こういった事態にならないように、滞納だけはしないようにしている人が多いのです。

もし、当サイトを訪れている人で滞納をしたままでいるという場合は、「大学退学(中退)手続きの流れ。退学届の書き方も解説」を参考に退学届けを出しておくようにしましょう。

経済的理由の本質は何か?

経済的理由が大きな理由になっているので、奨学金や授業料の減免を拡充するという対策は当然行われるべきでしょう。

しかし、「大学別の大学中退率の傾向」でも示したように中退する人の割合が偏差値と非常に連動しているという実態があるのも間違いないです。

つまり、偏差値が低い大学にいる人が、経済的な理由で退学しているという状況もあるのです。

ここには親の経済的な理由も含まれているのですが、大学全入時代で何となく大学には行っておこうと考えていた人が増えているのも原因の一つです。

入学してから大学に行く意味をあまり感じられずに、お金がもったいないし辞めようと考えた人が少なからずいます。

こういった理由で辞めた人も退学届けを提出するときには、経済的な理由になります。

この経済的理由のケースでは、奨学金や授業料の減免で対応することはできません。

これらのことについて対策を行う場合、偏差値が低い大学が魅力的な大学になるということと、進路選択の段階でマッチした大学に入学させるということが必要になります。

難しい課題ですが、国の対策とともに、大学や高校の取り組み強化も行っていかなければなりません。

まとめ

当サイトの訪問者にも経済的な理由で中退して、就職を考えている人は多いのかもしれません。

もし、大学に未練があるということでしたら、再度奨学金なども検討してみるとよいでしょう。

2014年10月9日に作成

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記事の監修者

岸 憲太郎

・株式会社ウェイズファクトリー代表取締役
・関西大学総合情報学部卒業

人材紹介事業と就職や転職に関してのWEBメディア事業を行う(株)ウェイズファクトリーの代表をしています。
15年以上の就職支援経験を通じて、数百名の採用担当者や求職者と情報交換をしてきました。
それらの経験を社会に還元していくために、記事の監修だけでなく、編集にも深く関与して情報発信を行っています。
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