※本記事は一部プロモーションを含みます
大学中退理由ランキング
最終更新日:2024年10月11日
大学中退者の「大学中退理由」には、さまざまな理由があるのですが大きく分けると、
- 転学
- 学生生活不適応
- 就職
- 経済的理由
の4つが多いです。
ここでは大学中退理由について国が行った調査結果や、当社が大学中退者に取材をしたり独自に調査した結果を掲載しています。
1. 大学中退理由ランキング(文部科学省調査)
1-1. 2023年度大学中退理由ランキング
文部科学省が2023年4月から2024年3月の大学中退者を対象に、大学中退理由について調査を行っています。
その結果が以下のグラフですので見てみましょう。
出典:文部科学省「令和5年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」2024年6月
- 1位:転学等・進路変更等 22.0%
- 2位:学生生活不適応、修学意欲低下 16.5%
- 3位:就職・起業等 14.4%
- 4位:経済的困窮 13.6%
- 5位:学力不振 7.3%
- 6位:精神疾患 6.6%
- 7位:病気・怪我・死亡 4.1%
- 8位:海外留学 0.7%
- 9位:その他 13.8%
- 10位:不明 1.0%
2023年度の大学中退理由で最も多い転学等・進路変更等には「思っていた勉強ができない」「イメージしていた学生生活が送れない」といった大学とのミスマッチを理由に、別の大学への編入や、専門学校への転学をする人が主にあげられます。
2位の学生生活不適応、修学意欲低下も大学とのミスマッチが多いですが、学費や生活費を払うためにアルバイトに時間を取られた結果、学業との両立が困難で中退した人など、直接的な原因は修学意欲低下であっても根底に経済的な要因が絡んでいることも多いです。
3位の就職・起業等には「大学に通うより早く働きたい」「起業して成功したい」といった前向きな理由が多いです。
4位の経済的困窮ではバブル崩壊後から徐々に親の平均年収が減っていることから、奨学金を利用する学生が増える傾向にあり、将来の返済を心配して中退をする人が増えてきています。
ちなみに過去3年間の大学中退者数と中退率は以下のように推移しています。
- 2021年度の大学中退者は48,694人(学生数に占める中退者の割合は1.79%)
- 2022年度の大学中退者は52,459人(学生数に占める中退者の割合は1.94%)
- 2023年度の大学中退者は56,710人(学生数に占める中退者の割合は2.10%)
2020年度からはコロナの影響で大学中退者数が減少していましたが、2022年度になるとコロナ前の学習環境に戻りはじめたため、中退者数も元の水準に戻りはじめ増加傾向にあります。
1-2. 2012年度大学中退理由ランキング
2012年度の調査結果は以下のようになっていました。
出典:文部科学省「学生の中途退学や休学等の状況について」平成26年9月25日
*調査には、大学中退者に加えて、高等専門学校中退者も含まれます。
- 1位:経済的理由 20.4%
- 2位:転学 15.4%
- 3位:学業不振 14.5%
- 4位:就職 13.4%
- 5位:病気・ケガ・死亡 5.8%
1-3. 2007年度大学中退理由ランキング
2007年度の調査結果は以下のようになっていました。
- 1位:転学 14.9%
- 2位:就職 14.4%
- 3位:経済的理由 14.0%
- 4位:学業不振 12.7%
- 5位:病気・ケガ・死亡 6.1%
2. 大学中退理由ランキング(ハローワーク調査)
2-1. 2014年大学中退理由ランキング
上記の文部科学省が実施した調査の対象者には、高等専門学校を中退した人も含まれていました。
そこで2014年8月~11月にハローワークを訪れた、4年制大学(医療関係は6年制もあり)中退者のみを対象とした大学中退理由の調査結果が以下ですので、こちらも見てみましょう。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」平成27年5月27日
- 1位:学業不振・無関心 42.9%
- 2位:家庭・経済的理由 19.3%
- 3位:進路変更 15.1%
- 4位:病気・ケガ・休養 10.9%
- 5位:人間関係・大学生活不適応 10.0%
文部科学省の調査とは項目が少し違うので単純に比較できませんが、こちらの調査では「学業不振・無関心」が他の理由に比べて圧倒的に多い大学中退理由になっています。
また2位は「家庭・経済的な理由」、3位は「進路変更」となっており、2014年時点で4年制大学(医療系は6年制もあり)中退者のみを対象としても、別の学校に転学したり、就職するなどの進路変更や、学費を支払うのが難しいという理由で退学する人が多いこともわかります。
2-2. 学部別「学業不振・無関心」で大学中退をした人の割合
学部別に「学業不振・無関心」で大学中退した人の割合を示したのが以下です。
- 保険 51.2%
- 理・工・農 51.1%
- 社会科学 46.1%
- 芸術・家政 38.5%
- 人文科学 31.8%
- 教育 28.0%
「保険」「理・工・農」など理系よりの学部で「学業不振・無関心」で退学する人が多く、「教育」「人文科学」など文系よりの学部は比較的少ないです。
2-3. 学部別「家庭・経済的理由」で大学中退した人の割合
学部別に「家庭・経済的理由」で大学中退した人の割合を示したのが以下です。
- 教育 28.0%
- 人文科学 24.8%
- 社会科学 19.3%
- 芸術・家政 17.9%
- 理・工・農 16.7%
- 保険 9.3%
「教育」「人文科学」など文系よりの学部で「家庭・経済的理由」で退学する人が多く、「保険」「理・工・農」など理系よりの学部は比較的少ないです。
3. 大学中退者個別の大学中退理由一覧
ここまで大学中退者の中退理由を大きく分類してランキング形式で紹介しました。
これ以降では大学中退者それぞれの、具体的な中退理由について見ていきましょう。
大学とのミスマッチ
- 大学在学中に他の事に興味がわき退学後、専門学校に入学
- 第一志望の大学に落ちてしまい、第二志望の大学に入学したが、あきらめきれなかったので退学して再受験を目指している
- 奨学金をもらいながら大学に通っていたが、大学の内容が思っていた内容と違いお金がもったいなく感じた
大学に行く意味を見いだせなかった
- 一人暮らしをして好きなことをしていたら、大学に行く意味が分からなくなった
- 高校までと違い自由が多すぎて、何をしたらいいのか分からなくなった
- 友人が辞めたので、同じように辞めてしまった
- 学校いくより働くほうがいいやと思った
- アルバイトを在学中にはじめて、いつのまにかアルバイトばかりの生活になってしまい大学を辞めてしまった
学業不振
- はじめは授業が楽しく勉強に励んでいたが、徐々に内容が難しくなりついていけなくなった
- 単位が不足して、進級できなかったので退学した
- サークルに熱中しすぎて、授業に全く出なくなってしまい、単位を落として留年することになったので退学した
経済的な理由
- 父親の勤めていた会社が倒産をして、家が経済的に厳しくなったので退学して就職をした
- 親が離婚をして、母子家庭になり家計が厳しくなったので退学をした
人間関係
- 大学のサークルに入らなかったので友人ができず、一人で活動することが多くなって退学してしまった
- 狭い学部内で孤立してしまい授業に出ることが辛くなった
- 周りの大学生とテンションが合わなかった
4. 中退者の多い大学ランキング
全大学の中で中退者の多い大学をランキングにすると以下のようになります。(%は中退率を表します)
- 1位: 日本映画大学 33.1%
- 2位:第一薬科大学 28.8%
- 3位:苫小牧駒沢大学 27.7%
- 4位:羽衣国際大学 27.2%
- 5位:愛知文教大学 27.1%
- 6位:修文大学 27.0%
- 7位:神戸国際大学 26.5%
- 8位:四條畷学園大学 25.8%
- 9位:大手前大学 25.4%
- 10位:東京神学大学 25.0%
- 10位:三洋小野田市立山口東京理科大学 25.0%
出典:「大学の実力2019」中央公論新社
就職活動の面接で大学中退理由をうまく伝える方法
ここまで見てきたように大学中退理由は人それぞれ、さまざまな理由で大学を中退しています。
しかし就職活動の面接では「大学中退理由」が評価に大きな影響を与えるので、大学中退者は事前に面接対策をする必要があります。
以下の記事で面接での「大学中退理由の説明方法」「大学中退理由の回答例文」について詳しく解説しているので、参考にしながら自分でもどのように大学中退理由を伝えるのかを考えてみてください。
2024年最新版!大学中退者に人気の就職サイトBEST3
大学中退者が使っている就職サイト(就職エージェントと求人サイト)を、人気順に3位まで紹介します。
※ランキング調査期間:2024年4月1日~2024年5月1日
ジェイック就職カレッジ |
ジェイック就職カレッジは、就職成功率81.1%(大学中退者に限ると90.7%)の実績を持つ就職エージェントです。 中退者向けの求人を紹介してくれたり、中退者向けの就職講座で、面接での中退理由の伝え方やマナーを学べます。 |
---|---|
リクナビNEXT |
リクナビNEXTは、大学中退者の利用者が多い人気求人サイトです。 様々な職種や地域の求人に加え、他では得られない大企業の求人も充実しています。 |
ハタラクティブ |
ハタラクティブは、フリーターや大学中退者向けの就職エージェントです。 求職者と年齢が近いキャリアアドバイザーが親身になって相談に応じてくれ、未経験から応募できる求人を紹介してくれます。 |
大学中退者におすすめの就職サイトを全て見たい方は、以下からチェックしてみてください。
当社カジュアル相談を活用してください
当社(株式会社ウェイズファクトリー)では、学校を中退した後の就職活動について無料で気軽に相談できる窓口を設けております。
当社のキャリアアドバイザーにメールか電話で相談できます。
- 「どの就職エージェントを利用すればよいかわからない」
- 「どのように就職活動を行えばよいかわからない」
- 「どのような職種が向いているのかわからない」
というような質問に就職支援15年以上の経験を元にお答えします。
また必要な方には、中退者が応募できる未経験歓迎の正社員求人を紹介することもできます。
ご相談したい方は以下の記事の下にあるフォームよりお申し込みください。
岸 憲太郎
・株式会社ウェイズファクトリー代表取締役
・関西大学総合情報学部卒業
人材紹介事業と就職や転職に関してのWEBメディア事業を行う(株)ウェイズファクトリーの代表をしています。
15年以上の就職支援経験を通じて、数百名の採用担当者や求職者と情報交換をしてきました。
それらの経験を社会に還元していくために、記事の監修だけでなく、編集にも深く関与して情報発信を行っています。
詳しいプロフィールは、こちらをチェックしてみてください。
プロフィール