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いつまで自分探しをしても良いのか?

最終更新日: 2017年5月2日

いつまで自分探しをしても良いのか?のアイキャッチ画像『自分探し』という言葉が数年前多くのメディアで使われていました。

何がしたいか分からない。自由に生活をしてやりたいこと探しをする。

こういったニュアンスで使われていたのが、自分探しという言葉です。

最近では、あまり聞くことがなくなりましたが、フリーターをしている人には、自分探し的な生活をしている人もまだまだいるのではないでしょうか。

自分探しは、いつまで続けてもよいのでしょうか。

自分探しは不景気の中で生まれた

自分探しという言葉がよく使われていた時期は、不景気で就職難と言われ、非正規社員が増えているということが大々的にニュースで報じられていた頃です。

若者の将来が見えにくくなって、就職できても派遣社員にしかなれないということが言われていました。

そういった環境の中で就職しなければならない若者の間で、不本意な就職をすることから逃れるために自分探しという言葉が使われはじめ、メディアでも取り上げられるようになっていきました。

しかし、2013年に、安倍総理がアベノミクスと言い出した頃から、若者の就職難や自分探し、などといった言葉がどんどん聞かれなくなっていきます。

景気がよくなって、求人が増え、求人倍率が1倍を超える(求職者1人に求人が1社ある状態)など環境がよくなっていく中で、若者が不本意な就職をする可能性が低くなっていったからです。

統計結果を見てみると、最も就職難がひどかった時期でも若者の就職がそれ程難しかった時期は日本ではなく、就職難であるという雰囲気の中で自分探しをしてしまう人が増えてしまったのでしょう。

今現在は、好景気の中で非正規社員の正社員化や転職市場の賑わいで不本意な就職をした人たちが転職を実現しています。

自分探しという言葉を使いながら非正規社員に甘んじてきた若者も、景気の回復とともに自分の身の丈にあった仕事に就いていくのかもしれません。

フリーターは好景気の中で生まれた言葉

自分探しと同じようなニュアンスで、フリーターという言葉が使われることがよくあります。

しかし、自分探しという言葉がよく使われていた2000年代とは違い、フリーターという言葉が誕生した1980年代はバブル景気の頃です。

景気が非常によく、求人も捨てるほどある中で、正社員のような型にはまった生き方を嫌った若者の間で、非正規の働き方をしながら自由な生活をするスタイルが生まれました。

そういった生活をしている人たちの中から、様々な有名歌手が生まれたため、フリーターは、若者の間では一種のあこがれの対象とされていました。

バブル崩壊以後は、フリーターのニュアンスも徐々に変化していくのですが、フリーターの始まりはこういった恵まれた環境の中で自由や夢を求めた若者を指していて、決して問題などとして扱われることはありませんでした。

こうした自由を満喫していた若者の多くも、今現在は身の丈にあった仕事に就いて生活をしているのだと思います。

いつまで自分探しを続けてよいのか?

こうしてみてくると、様々な環境に翻弄されながらも、どちらの時代も若者らしい行動を取っているのように見えてきます。

景気が悪く就職が難しければ、そこから逃避し、景気がよく余裕があるときには、調子に乗って自由や夢を追い求める。

環境が変わっても若者の特性は何も変わっていないような気がします。

そういったことを考えると、今現在自分探しをしている人は、求人が比較的多くある中で就職活動を積極的に行わないのですから、当初のフリーターがそうであったように、ある意味で格好のよい生き方といえるかもしれません。

そういった環境の中で自分探しはいつまで続けてよいか考えるのであれば、「景気がよい間に就職できれば問題ないのでは」という程度のことしかいえないのでしょう。

景気の悪い頃に自分探しをした人は、様々な批判をされていたようですが、その人たちも結局落ち着くところに落ち着いているようです。

景気が悪かろうが、良かろうが、若者はいつも変わらず、年を取れば落ち着いていくのですから、好きなようにすればよいのでは、とアドバイスするのが少し年齢を重ねた人のいえることなのかもしれません。

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