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大学中退後、都会に就職すべきか?地方に就職すべきか?
最終更新日:2023年6月26日
社会人としての新生活を、新しい町ではじめてみたいと考えたことはありませんか?
もし「華やかな都会で暮らしてみたいな」とか「緑豊かな地方でのんびり暮らしたい」といった希望があるなら、チャンスは今!かもしれません。
ここでは、大きく「都会」と「地方」に分けて、それぞれの地域で活躍する企業の特徴や移住後のライフスタイルなどを比べてみましょう。
1. 就職先を探すなら、都会?地方?
都会は、企業の数も業種・職種も多種多様です。
一方、地方では、就職を希望する若者に手厚い支援を行っている自治体が少なくありません。
1-1. 大企業が集中する東京、大阪でも人手不足という現実
「都道府県別の企業数」
- 1位:東京都 417,988社
- 2位:大阪府 271,936社
- ・・・・・・・・・・・・・・・
- 49位:鳥取県 16,088社
出典:経済産業省「都道府県・大都市別企業数、常用雇用者、従業員数(民営、非一次産業)」2016年
都道府県ごとに、大企業と中小企業を合わせた数をみると、一番企業の数が多いのは東京都で、41万社以上というものすごい数です。
業種としては「卸売業・小売業」だけで全体の4分の1を占めていて、「製造業」や「不動産業・物品賃貸業」と続いています。(※1)
41万社余りの企業の中で、大企業は約4,500社。
といっても全企業数の2%ほどなのですが、驚くべきことに都内の企業で働く全従業員の半数以上がここで働いています。(※2)
大企業以外の、残りの98%は中小企業なのですが、人手不足を感じている企業が多く、特に、情報処理システムやゲームソフトなどを扱う「情報サービス」の分野で深刻だといわれています。(※3)
システム開発だけでなく、コンサルティングやマネージメントができる人材も必要とされているので、この分野に興味があれば、就職の大きなチャンスがあるといえそうです。
大阪府の場合は、「卸売業・小売業」と「宿泊業・飲食サービス業」を合わせた企業数が、府内全企業数の3分の1以上を占めています。(※4)
大阪府の大企業の数はおよそ1,000社で、東京に次いで2位です。
しかし東京都に比べると、大阪府の場合は中小企業で働いている従業員の割合が高いので、大企業でも人手不足を感じているという傾向があります。(※5)
また、国際観光都市・大阪らしく、インバウンド関連の業種で人材不足への危機感が高まっているので、大阪で外国人観光客向けの仕事などを探してみるのも楽しそうです。
1-2. 地方ならではの豊富な業種と手厚い支援~鳥取県の場合~
企業の数が全国で最も少ない鳥取県ですが、県全体の有効求人倍率は全国平均を上回っています。(※6(P7))(※7)
特に、山陰地方有数の商業都市・米子市の有効求人倍率は2倍に迫る勢いです。
幅広い業種で積極的な求人活動を行っていて、webデザイナーやシステムエンジニアなどのIT系企業やテレビ局などの情報通信業、ホテルや観光施設などでのサービス業のほか、花や野菜の苗を育てる農業関係や、地元ブランドの魚を育てる養殖漁業など、都会とはひと味もふた味も違った仕事に出会うことができます。
知り合いがいない地方で暮らしていけるかどうか、など不安を感じることもあると思います。
しかし、移住者のための住宅支援や定住奨励金の支給などを行っている市町村も多いので、興味がある業種が見つかったら、思い切って行動してみてはいかがでしょう。(※8)
2. やっぱり気になる初任給
社会人として自立するために、初任給は気になるところです。
2-1. ダントツの高初任給は東京、神奈川
「都道府県ごとの初任給(高校卒・男女)」
- 1位:東京都 17万5000円
- 2位:神奈川県 17万4200円
- 3位:静岡県 17万1100円
- 4位:京都府 17万 200円
出典:厚生労働省「平成30年度賃金構造基本統計調査(初任給)の概要」2016年
都道府県ごとに、高校卒業程度の男女の初任給をみると、1位の東京都と2位の神奈川県が圧倒的に高いことが分かります。(※9(P10))
ただ、のちほど触れますが、この2都県は生活全般にかかる費用レベルも全国トップクラスなので、思い通りのライフスタイルが実現できるかどうかを考える必要があるでしょう。
2-2. ブレない地場産業が地方経済を豊かにする~静岡県の場合~
都道府県別の初任給で3位の静岡県は、「産業のデパート」といわれるほど、ものづくりが盛んです。(※10)
有名楽器メーカーの本社が集中しており、ピアノ製造の国内シェアは100%。
他にも精密機器や電機部品といったものづくりのメーカーから、お茶やみかんなどの特産品の栽培から加工まで行う会社など、さまざまな中小企業が静岡経済を支えています。
静岡県では、物価もおおむね東京都より低いので、暮らしやすさを考えるときはさまざまな角度から検討する必要がありそうです。
3. 通勤時間が長いのは都会?地方?
いざ就職すると、1年の200日以上は「通勤」することになります。
どこに住むか、を考える時は通勤時間についても考えておくことをおすすめします。
「通勤・通学時間が長い!?ランキング TOP10」
- 全国平均 1.19
- 1位:神奈川県 1.45
- 2位:千葉県 1.42
- 3位:埼玉県 1.36
- 4位:東京都 1.34
- 5位:奈良県 1.33
- 6位:大阪府 1.25
- 7位:兵庫県 1.21
- 8位:京都府 1.20
- 9位:茨城県 1.19
- 9位:愛知県 1.19
- ・・・・・・・・・
- 47位:大分県 0.57
国が都道府県別の通勤時間を調査したところ、一番長いのは神奈川県で、全国平均より30分近く長い1時間45分、という結果が出ました。(※12)
TOP10入している都道府県をみると、ほとんどが大都市圏です。
逆に、通勤・通学時間が最も短かったのは大分県で57分でした。
神奈川県より47分短いわけです。
この通勤時間の差は、睡眠時間にも影響しているようで、神奈川県民の平均睡眠時間が7時間33分であるのに対して、大分県民は7時間45分と10分長く寝ているという結果が出ています。(※13)
この結果から、通勤時間が短い方が自由時間を長く確保できそうだ、ということが分かります。
通勤時間が短い地方のほうが時間にゆとりのある生活が送れるのかもしれません。
4. 憧れの一人暮らしをするなら都会?地方?
就職を機に、実家を離れて一人暮らしをはじめる、という場合も多いでしょう。
「地方は刺激が少ないから退屈」とか「都会の暮らしは華やかで楽しい」というイメージを持っている人も少なくないかもしれません。
自立した生活を送るために、まずは「都会暮らし」と「地方暮らし」の実際を、ほんの少し知っておきましょう。
4-1. やっぱり、都会の家賃は高い!
下の表を見てください。
1畳(畳1枚分)あたりの家賃を、都道府県別に比べてみると、東京が圧倒的に高く、1畳当り5,128円という結果が出ました。(※14)
2位の神奈川県の約1.3倍です。
また、1人当りが1ヶ月に支払っている家賃も、東京都は神奈川県に比べて20%ほど高いことも分かりました。
東京都内の会社に就職しても、家賃が高い都内に住むのではなく、神奈川県などの隣県に部屋を借りて長時間の通勤している(参考:通勤時間が長いのは都会?地方?)という都会の暮らしが見えてくるような結果です。
「1畳当りの家賃ランキング」
- 1位:東京都 5,128円
- 2位:神奈川県 3,898円
- 3位:京都府 3,282円
- ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
- 48位:宮崎県 1,972円
- 49位:青森県 1,882円
出典:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」
1畳当りの家賃が最も低かったのは、青森県、次いで宮崎県でした。
青森県と東京都を比べると、東京都の1畳当りの家賃は青森県の約2.7倍です。
ちなみに、高校卒業程度の男女の初任給で比較すると、青森県の初任給は東京都の9割弱です。(※9)
もっとも、青森県は本州の北端ですから、冬の寒さは厳しく、光熱・水道費の物価指数は東京都を上回っています。
日本のどこに住んでも、夏の暑さや冬の寒さから逃げることはできませんので、企業が立地している地域の気候についても調べておくとよいでしょう。
大阪府の場合は、1畳当りの家賃は3,227円で、京都府についで4位でした。
大阪府内に通勤する人たちが多く住んでいる和歌山県や奈良県の1畳当りの家賃は、傾向として大阪府内より2~3割低くなっています。
大阪市内のビジネス街は府外からのアクセスもいいので、大阪府の中心部から少し離れたところに住むことも検討してみましょう。
もっとも、奈良県や和歌山県でも積極的な求人活動を行っていますし、どちらも地場産業の振興や観光産業の活性化などに力を入れているので、就職先を探す選択肢に加えてもいいと思います。
4-2. 物価は地方の方が安い
家賃を除く消費者物価指数で、都道府県別の物価水準を比べてみると、1番物価が高いのは神奈川県です。 (※15)
次いで東京都が続くのですが、この2都県はほぼ同じ水準で、他の道府県に比べて住居費(水道代や食器代などを含みます)と交通・通信費が高いのが特徴です。
関西大都市圏では大阪府、京都府、滋賀県、兵庫県、和歌山県がほぼ同水準なので、通勤のアクセスやそのほかの生活環境などを考えて探してみるとよいでしょう。
ちなみに近畿2府4県すべてに世界遺産があることをご存じですか。
日々の生活の中で世界遺産に親しみながら都会で働きたい、という憧れを持っている人には近畿地方はピッタリかもしれません。
逆に、物価水準が最も低いのは群馬県で、鹿児島県、宮崎県、佐賀県、福岡県と九州地方の各県が続いているのですが、これは大都市圏に比べて住居費が安いことが大きく影響しています。
都会と地方のどちらで暮らすとしても、給与と支出のバランスをしっかり考えることが大切になりそうです。
5. 休日をどう過ごす?都会と地方はココが違う!
どんなにやりがいがあって楽しい仕事でも、やはりストレスや疲れが溜まってしまうもの。
仕事終わりの夜や休日の1日を充実させることも人生には大切です。
5-1. 「映画」の楽しみ方はココが違う!
映画鑑賞が趣味、という人も多いのではないでしょうか。
スクリーン数で比べてみると、最も多いのは東京都、次いで愛知県、大阪府、神奈川県です。(※16)
確かに、都会には大小さまざまな映画館があって、単館ロードショーなども頻繁に行われています。
都会はスクリーン数が多いので、思い立ったときに気軽に行けるという便利さがあります。
一方、地方にはスクリーン数が少なく、上映期間が短かったり、かなり遠くまで行かなければ観られなかったり、という点が不便です。
しかし、近年、町おこしを兼ねたこだわりの映画祭を開催する地方自治体が増えてきました。
例えば、
- 香川県の「さぬき映画祭」
- 沖縄県の「沖縄国際映画祭」
- 広島県の「広島国際アニメーションフェスティバル」
- 秋田県の「あきた十文字映画祭」
などなど、首都圏以外だけでも100近くあるといわれています。
地方での映画祭では、新作をいち早く観ることができたり、ワークショップが開催されたり、と都会の映画館では味わえない楽しみがあります。
機会があれば参加してみるのもいいですね。
5-2. 応援するスポーツチームの本拠地に住むという選択もある
スポーツ観戦が趣味という人は、応援するチームの本拠地に移住するというのも楽しそうです。
「生スポーツ観戦が盛ん!?ランキング」のTOP10をご覧ください。
ある傾向に気が付きませんか。
「生スポーツ観戦が盛ん!?ランキング」
- 1位:広島県
- 2位:宮城県
- 3位:福岡県
- 4位:神奈川県
- 5位:北海道
- 6位:東京都
- 7位:千葉県
- 8位:愛知県
- 9位:佐賀県
- 10位:兵庫県
出典:総務省統計局「平成28年度社会生活基本調査結果、生スポーツ観戦が盛ん!?ランキング」平成28年
そうです!
TOP10に入っている都道府県には、メジャースポーツチームの本拠地があるのです。
住み慣れた地元を離れるのは勇気が必要なことです。
でも、いい会社といい環境、があって、応援するチームの本拠地、だったら、思い切って第一歩を踏み出せそうな気がしませんか?
5-3. 地方ではマイカーが不可欠になることもある
地方では公共交通機関が十分とはいえない地域が多いため、いずれはマイカーが不可欠になる可能性も考えておいたほうがいいでしょう。
休日のレジャーだけでなく、日常の買い物や通勤に必要になることもあります。
マイカーを所有すると購入の際のローンの支払いやガソリン代、保険料や税金などの支払いが生じます。
電車代やタクシー代などがかかる都会にするか、マイカーを所有する可能性がある地方にするかは、それぞれの支出額の違いというより生活環境の違いなので、よく考えてみる必要があります。
6. まとめ
都会でも地方でも、将来を担う若者たちを採用するための取り組みが積極的に行われています。
ですから、大学を中退したことが必ずしも就職に不利とはいえないでしょう。
社会人としての第一歩は、自分の希望や状況にあった仕事を選ぶことです。
さまざまな手段で情報を集めて検討し、「これだ!」と思ったら、まずは行動してみましょう。
そして、今の自分のスキルや情熱とともに、将来にどんな人生や夢を思い描いているのかを伝えてみてください。
道を切り拓いていきましょう!
出典
※1 「東京経済の概況」(東京都産業労働局)
※2 「都道府県・大都市別企業数、常用雇用者、従業員数(民営、非一次産業、2016年)」(経済産業省)
※3 「特別企画:人手不足に対する東京都内企業の動向調査(2018年10月)(株式会社帝国データバンク)
※4 「平成28年度経済センサス-活動調査結果 10 企業産業別の状況」(大阪府)
※5 「特別企画:人手不足に対する大阪府企業の動向調査」2016/9/25(株式会社帝国データバンク)
※6 「鳥取県内の雇用情勢(令和元年8月分)」(厚生労働省鳥取労働局)
※7 「職業紹介-都道府県別有効求人倍率」(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)
※8 「鳥取移住 支援制度を知る」(鳥取来楽暮)
※9「平成30年度賃金構造基本統計調査(初任給)の概要」(厚生労働省)
※10 「産業の特徴」(静岡県企業立地ガイド:静岡県)
※11 「平成29年度 静岡県観光交流の動向」(統計センターしずおか:静岡県)
※12 「通勤・通学時間が長い!?ランキング」(平成28年度社会生活基本調査結果:総務省統計局)
※13 「睡眠時間たっぷり!?ランキング」(平成28年度社会生活基本調査結果:総務省統計局)
※14 「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」(総務省統計局)
※15 「小売物価統計調査(構造編)-2017年(平成29年)結果-」(総務省)
※16 「全国スクリーン数(2,018年12月末現在)」(一般社団法人日本映画製作者連盟)
※17 「生スポーツ観戦が盛ん!?ランキング」(平成28年度社会生活基本調査結果:総務省統計局)
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・株式会社ウェイズファクトリー代表取締役
・関西大学総合情報学部卒業
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