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大学の役割とは何か?
最終更新日:2018年1月26日
大学に通うことの意味が分からずに退学していく人は多いです。
私立なら1年間で100万円前後の費用がかかり、なんとなく大学に通っているとほとんど学ぶこともなく日々が過ぎていってしまうこともあります。
大学の役割や意味とは、いったいどういったことにあるのでしょうか?
学習と学問の違い
高等学校までの教育は学習、大学以降の教育は学問と分けることができます。
学習とは、数学や国語、理科といった教科にそった内容を学び習うこと。
学問は、一般的な意味としては、知識の体系のことを指すそうですが、字が表すことをそのまま受け取ると、学び問うことであるとなります。
つまり、大学以降の教育においては、学ぶことだけでなく、問うことの重要性も上げられていることになります。
問うと言われても何を問うのでしょうか。
専攻によって問う内容は違ってきますが、
- 政治のあり方はこれでよいのか?
- 新しい法律が必要ではないのか?
- 化学の常識は本当に正しいのか?
- 景気はどうすれば、よくなるのか?
- 先生や親の教育方法はこれでいいのか?
といったことを、問うことになります。
こういった先人が築き上げてきた制度や仕組み、分析結果を再度疑って、もう一度問い直すことが学問です。
学問が盛んに行われていた明治時代などには、学生同士の問答や議論がよく行われていました。
ドラマなどでも明治時代の学生を表現する際に、ああだこうだと学生同士が熱く討論している光景を映し出すことがよくあります。
翻って、現在の学生に目を向けると、問答や議論、討論などといったことが行われている光景などはほとんど見ることができません。
どちらかというと、大学も高等学校と同じような学習ばかりを行わせていたり、自由な時間だけを与えて、のらりくらりとした生活をさせているというのが現状です。
こういった環境でも、就職のためと我慢している学生もいますが、目的が曖昧すぎて中退をする学生もいます。
大学の役割や意味が曖昧になる中で、もう一度以前のような学問をさせる空間として大学を作り直すのか、高校までと同じように学習をさせる場所としての役割を果たすのか、はっきりさせる必要があるのではないでしょうか。
学問をさせる場としての大学
大学をもう一度学問をさせる場として改革していく際に、今の環境のまま現在の真面目でおとなしい学生を明治時代のような熱い議論に駆り立てるというのは難しいはずです。
しかし、授業では教授が黒板に向かって説明をして、それを何も言わない学生が写すということが行われており、自発的に何かをするということがまったく考えられていません。
こういった状態を続けていたとしても、学問をする場として大学が変わっていくことはないです。
しかし、少しでも多くの授業で、学生どうしで議論をさせる時間と空間を設けると、大学の雰囲気というのは変わってくるのではないでしょうか。
授業での討論がきっかけとなって、それが休み時間まではみだすようになればしめたものです。
そういった現象が、大学内の様々な場所で起こってくると、他の生徒にも徐々に影響が及んできて、大学が学問をする場であるという雰囲気ができてくるのではないでしょうか。
また、教授と交流しないことは大学に通う価値を下げるといわれるくらいですから、教授自身もゼミ以外においてもっとオープンに学生と議論や討論をする場所を作っていくとよいのではないかと思います。
今の自由だけを享受した大学生を見ていると、中々学問をさせるというのは難しく見えますが、ちょっとした仕組み作りをするだけで大きな変化が起こるのではないでしょうか。
まとめ
大学全入時代になって、大学も学習機関としての役割を果たさなくてはならなくなってきました。
しかし、本来の学問をする場としての大学が重要であるのは間違いないと思います。
どうすれば、大学内において学生同士が自発的に議論、討論をするようになるかを考えることが、大学中退者を減らすことに留まらず、日本の大学のレベルを上げることに繋がるのではないでしょうか。
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岸 憲太郎
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・関西大学総合情報学部卒業
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