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大学中退者が入社前にチェックすべき労働条件
最終更新日:2017年10月8日
学生時代や大学中退後にアルバイト経験がある人は、働き始める際に労働条件についての書類を貰ったり、説明をされたことがある人もいると思います。
しかし、以外と多くの会社でパートやアルバイトの従業員を採用する際には、詳しい労働条件についての説明をしないまま雇っていることが多いです。
これから正社員として働く場合には長期間に及ぶことですので、どういった労働条件で働くのかはしっかりチェックしておきたいです。
入社前に労働契約書や労働条件通知書という書類を貰うはずですから、どういった点をチェックすればよいのかについて解説していきます。
企業は従業員に労働条件を明示する義務がある
信用のおける会社に就職が決まれば、労働条件なんて知らなくても安心と考えるかもしれませんが、企業には労働条件を明示する義務があるのでしっかり書類を貰ってチェックしましょう。
労働条件の明示義務がある項目には、「全ての企業で絶対に明示が必要な項目」と、「企業によって明示が必要な項目」に分かれます。
企業によって明示が必要な項目には、例えば退職手当などがあるのですが、退職時にどれくらいの退職金が貰えるのかということを説明しています。
退職金は、どこの企業でもかならず支払われるのではなく、会社が独自に設定しています。
ですので、退職金制度がある企業の場合にだけ、退職金についての説明を労働条件を知らせる際に明示しないといけないとされています。
ここでは、一般的な企業で明示されている労働条件で、チェックしておきたい項目について見ていくことにしましょう。
チェックすべき労働条件
契約期間
契約期間に定めがある雇用形態(契約社員や派遣社員など)の場合には、雇い入れ日から契約終了までの期間が明示されることになります。
一方、正社員など期限の定めのない雇用形態の場合には、雇い入れ日のみが明示されています。
新卒の人などは、4月1日を雇い入れ日にしていることが多いですが、大学中退者の場合は雇い入れ日を人事担当者と事前に調整して決定する必要があります。
雇い入れ日については、「大学中退者が内定を得たらいつ入社するのか?」も確認してみて下さい。
雇用形態
雇用形態には、正社員、派遣社員、契約社員、パート、アルバイトなどがあります。
さすがに、労働条件の明示の段階になって、はじめて自分が雇われる雇用形態について知るという人はいないと思います。
しかし、求人情報を見ているときには、「未経験者可」の表記に惹かれて応募してみたら、契約社員だったということもあります。
求人情報を見ている段階でしっかり雇用形態をチェックしておき、労働条件の明示書にもその雇用形態が表記されていることを確認しましょう。
就業の場所
特定の場所のみで働く場合には、事業を行う所在地が明示されています。
特定の場所が明示されている場合には、転勤や出向を行うことはできません。
グループ会社への転勤や出向先がある場合は、「会社が指定する場所」など、幅を持たせて明示されていることが多いです。
最近では、地域限定社員やエリア社員といった、転勤の可能性がある地域を限定した働き方を提供する企業も増えています。
従事すべき業務内容
どういった仕事を行うのか、業務内容が明記される項目です。
この項目についても、基本的な業務内容以外に、「その他関連業務」や「その他雑務」などと表記して、ある程度幅を持たせた仕事ができるように表記しているケースが多いです。
はっきりと業務内容が明記されている場合でも、仕事をはじめてみれば様々な仕事を任されることが多いのが現実です。
あまり厳密に考えすぎず、表記されていること以外の仕事も任せられる可能性があると知っておくとよいでしょう。
始業、終業の時刻、休憩時間
どういった労働時間制をとるかによって表記は少し変わってきます。
しかし、法定労働時間という働く時間の限度が決まっているので、それを超えていない必要があります。
法定労働時間では、1日8時間、1週間で40時間を上限としています。
これらを超える時間働かせる場合には、残業代が必要になります。
休憩時間は、労働時間が6時間以上の場合は45分以上、8時間以上で1時間以上を与えなければならないとされています。
労働時間の制度には、変形労働時間制というものがあり、1週間あたりの平均労働時間が40時間を超えない場合、1日の法定労働時間を超えても働くことができるという制度もあります。
この変形労働時間制というのは、1日に働く時間が日によって大きく違ってくる仕事などで適用されています。
少し複雑な制度ですので、もし適用されている企業で働く場合には、どういった制度なのか調べるようにしてみて下さい。
休日、休暇
休日と休暇は似ているものの、法律上は区別されています。
一般的な休みは、休日の方で、定休日、祝日、創立記念日などが明記されています。
一方、休暇は、有給休暇、育児休暇、介護休暇などになります。
休暇については、法律などでは取得させなければならないとなっていても、実態では中々取得できない企業も多いです。
労働条件に明示されていても、中々取得できていない可能性もあるので、実態を知りたいのであれば様々な所から情報を仕入れる必要があるでしょう。
賃金
労働条件の中でもっとも注目されるのが、賃金の項目でしょう。
ただし、大学中退後はじめて正社員として働く場合には、外資系企業以外では、どの企業でも月額20万円前後の基本給であることが多く変わり映えしません。
気をつけたいのは、交通費手当がしっかり出るのか、その他の手当にはどういったものがあるのか、給料は何日に振り込まれるのか、といったことでしょう。
交通費は全額支給とあっても上限がある場合があります。
その他の手当にも様々な種類があるのですが、住宅手当、扶養手当、資格手当などをまずチェックしておくとよいでしょう。
そして、カードの支払い日や子供の習い事の支払い日に困らないように、給料日がいつであるのかもチェックしておくと良いでしょう。
残業手当については、法律上も最低限の割増率が決定されているので、それ程心配はいりません。
残業代の不払いなどが問題としてメディアを賑わすことがありますが、法律違反であり、かなり悪徳な企業で数は限られています。
ただし、営業手当といって営業マンの残業代が手当で全てまかなわれていることが結構あるようです。
あからさまな残業代不払いは問題になりやすいので、様々な方法を使って残業代の支払いを免れようとしている企業があるので、注意したいです。
退職について
退職金については、支払う支払わないは企業毎によって違うのですが、どういった場合に退職するのかについては、どの企業も労働条件通知書に明示しないといけません。
退職する方法は、大きく、「定年」と「自己都合」、「解雇」の3つに分かれます。
定年は、以前は60歳が多かったのですが、法改正があり、65歳を定年とする企業が増えています。
自己都合については、退職する前いつまでに退職届けを提出するのかについて記載しています。
そして、解雇がどういった場合にされるのかについても明示されています。
日本では解雇が非常に難しい法律が設定されているので、心配することはあまりありませんが、念のため、どういった場合に解雇されるのかについては見ておくとよいでしょう。
まとめ
労働条件の多くの事項で、法律による規制がなされているので、劣悪な環境で働かされるのではといった過度な心配をする必要はありません。
しかし、転勤のあるなしなど、法律上は問題がなくても、本人が受け入れられない可能性のある労働条件もあります。
前もってチェックをせずにハンコをおしてしまえば、後で知らなかったとはいえません。
きっちり確認してから、労働契約を結ぶようにしましょう。
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岸 憲太郎
・株式会社ウェイズファクトリー代表取締役
・関西大学総合情報学部卒業
人材紹介事業と就職や転職に関してのWEBメディア事業を行う(株)ウェイズファクトリーの代表をしています。
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